3Dプリンタで鉄道模型 その1

3Dプリンタで鉄道模型 その1

くれは
くれは (ID865) 2014/05/10
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3Dプリンタを知ったのはつい最近のこと。テレビ番組を見て知りました。色が付いた立体が作れる!とか、樹脂製の立体が作れる!とかそんな内容だったはず。しかも3Dプリンタは10万円前後で手に入るらしい!

私が作りたいのは鉄道模型。Nゲージというやつ。手のひらに載るくらいの小ささ。
鉄道模型は完成模型として売られているのが一般的なのであるが、ローカルな電車や人気のない電車というのはどうしても製品化されない。
小メーカーがガレージキットとして組立キットを製品化することもあるが、それでもローカルな電車はなかなか製品化されない。
それどころか、鉄道模型のキットは年々減ってきているようにすら感じる。
製品化されないようなマニアックな電車はプラ板や紙で工作して自分の手で作ることになる。
しかし実際やってみたらどうか?小さいゆえに難しい。ゼロコンマ何ミリという細かい部品が作れない。フリーハンドで切ったりするから直線がガタガタ。正直言ってどうしても精密な完成品模型とは並べられない。
実際、工場生産の完成既製品に見劣りするからと、自作をやめていった人はたくさん居る。残念なことだと思う。

ちょうど機械設計(CADとか)の勉強をしてた時のこと。
一緒に勉強してた人が、「3Dプリンターで作るフィギュア」的な本を持っていた。
それを読むと3Dプリンタで模型やフィギュアが作れるらしい。
作例やフィギュアメーカーで使ってるハイエンド機の話が載っている。そして10万円前後の3Dプリンタのことが載っている。
これなら頑張れば買える!とうきうきしながら思ってネットで調べてみると、積層の厚みが0.3mmらしい。
作りたい電車は高さが2cm。たった66層しか積層できない。つまり66ドットのドット絵になるってことだ。
小さい模型には向かなさそう。

そういえばテレビで色が付いて立体が出てくる3Dプリンタがあるって言ってたな。
ネットで調べてみる。素材は石膏らしい。精密な造形には向かないらしい。
これもNゲージに使う物ではなさそうだ。

本には3Dプリントサービスのことも載っていた。これもネットで調べてみた。
積層の厚みが0.02mmくらい。電車は1000ドットで再現できることになる。模型としては形になりそうだ。
値段は・・・1個1万円前後。(完成既製品の鉄道模型がモーター付の列車編成セットで1万~2万)
高い。高いけどオリジナルの樹脂製の成形品が1万円で手に入るなら安いかもしれない。
と、そこでDMM.comの3Dプリントサービスが始まっていることを知る。どうやら安いらしい¥
機械設計を勉強してたパソコンには3D-CADのソフトも入っている。3Dプリント用データの.STL形式の保存も可能なことを確認。
とりあえず試してみようと思った。初めて触る3D-CADを使って数日で作ったのがこれ。

熊本の路面電車。熊本市電8200形といいます。いかにも設計しやすそうな角張った車体。
DMM.comで一番細かく作れる「アクリル高精細」という素材を使うことを前提に設計。
先端形状は0.2mmまでと書かれているのでそれ以上になるようにデフォルメしつつ作った。
あんまり頑張って細かく作って、データチェックで引っかかっても嫌なのであまり凝らずにこれで完成にした。

さてどんなのが届くかな?
使い物になるかな?
3Dプリンタで作った鉄道模型の作例が見あたらないことも考え、あまり期待せずに到着を待った。

おっ?おっ?ちゃんと電車の組み立てキットの形をしてるぞ?

パーツがバラバラなのは、あらかじめ情報収集をしておいたから。
面の方向によって表面の平滑さが変わるとか、サポート材が付くと表面が荒れて汚くなるとか知っていたのでこのようにバラバラにした。

半透明素材で細かい凹凸具合や平滑さが見えないが、パッと見では市販の組み立てキットのようだ。
早速組み立てて、再現度を見るためにサーフェイサー(下塗り灰色塗料)をエアブラシで塗ってみる。

色付きが市販の完成品模型。下が3Dプリントで作った物。
まるでメーカーが作った製品みたいだ。製品と同じレベルで成形されてる。
多少表面が平滑ではないが、色を塗り重ねれば目立たなくなるだろう。

そんなことより見てくれよ。
今まで樹脂製キットは1000万かけて金型を作らなければ作れないってのが常識って言われてた鉄道模型だよ。
それがたったの3000円前後でできちゃったよ。品質もなかなかいいじゃん。
パーツ同士の合いもぴったりで修正要らずじゃん。

これをプラ板から自作しようとするとどれだけ苦労するか・・・
窓なんかこんなに均一に切り抜けないよ?
細かい凸部なんかこんなに綺麗に付けられないよ?
角に丸みがある部分は作るの面倒だし綺麗に丸くならないよ?

これが完成状態。
3Dプリンタがせっかく綺麗に精密に作ってくれても、組立や塗装がまずければ何にもならない。
そういう部分は人間の腕の見せ所でもある。
3Dプリンタは夢のような機械だが、機械は機械のできることしかできない。
最後は人間が仕上げをするのだ。

緑色の帯やレタリングはデカール(模型用水転写シール)をプリンタで作って貼り付けた。
今や珍しくなったインクリボンプリンタ。もう十何年前のプリンタだが、綺麗に仕上げるために必要な重要なマシンだ。

製品と同じレベル(のちにそれ以上の再現ができることを知る)で作れることがわかり、一気に面白くなってきた。
家庭で模型キットが作れちゃうのである。今までなら、設計ができたところで製造は金型から、金額は家が建つくらいだったものが市販のキットを買うような感覚でできてしまうのだ。

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