スケルトニクス(1)「スケルトニクスとは」

スケルトニクス(1)「スケルトニクスとは」

白久レイエス樹
白久レイエス樹 (ID265) 公認maker 2014/07/05
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「もしもロボコン部を引退した三人が、何か面白いもの作りたいって張り切って人力オンリーの巨大ロボットを作ったら」。

こうなる↓

http://vimeo.com/75842080

勢い余って会社も作ってしまった。
http://skeletonics.com

ロボットが好きである。物を作ることが好きである。僕たちはロボコン部出身である。これらの条件を組み合わせたら、上記の物ができた。スケルトニクスという名前の動作拡大型スーツである。

青春の有り余るパワーでロボット作ってみた

「なんか面白いことしようぜ」。沖縄高専で4年ロボコンをやり、ロボコン部を引退して約2年ほど経ったある日のこと。元ロボコン仲間であり、後のスケルトニクス設計者である阿嘉倫大から突然手紙が届いた。(A3の白紙に筆でデカデカと先述のメッセージが掲げられていた。何かの機会にお見せできればと思う。ちなみにほぼ毎日学校で顔を合わせていたにも関わらず、あえて手紙だった)手紙は同じく元ロボコン仲間の玉城宅にも届き、3人で「何か面白いこと」をすることになった。

当初、僕たち3人は色々と「何か面白いこと」を模索したが、結局行き着いた結論は「何か面白いものを作る」ことだった。ロボコンで培った技術でこの世にないものを作る。こうしてスケルトニクスは、考案から約半年で完成した。

スケルトニクスとは

スケルトニクスとは、Skeleton(骨格)とMechanics(構造)を組み合わせた造語である。

腕や足の動きに追従して動く拡大リンク機構を用いて、四肢すべての動作を拡大する動作拡大型スーツであり、人間の動きをダイナミックに表現する。拡大リンク機構とは、拡大図を描く製図用具などに使われる機構のことである。右図のように、拡大リンク機構を使って手元に星を書くと、2倍の大きさの星が隣に現れる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%95

スケルトニクスは主にアルミでできており、重量25kg、完全に人力でのみ動く。人によって持つ感想は様々のようで、「ガンダムっぽい」や「高性能な竹馬」といったコメントを頂く。

スケルトニクスの作り方

1. 着想

もともと僕らはロボコン部に所属し、ロボットを作っていた。2008年のNHKロボットコンテストに出場したときの出場マシンが図右上の二足歩行ロボットである。パンダグラフにチェビシェフリンクの近似直線起動を組み合わせ、中心の動きを先端に伝え二足歩行を実現した。ならば、パンダグラフに人体の動きを組み合わせれば、人間の動きを拡大できるのではないか。大きさ的にも2倍程度の拡大なら筋力的にいけるかもしれない。このようにして着想を得た。

(パンダグラフは大きさが2倍になる分、先端を動かすのに必要となる力も2倍になる。つまりあまり大きくしすぎるとそれだけの負荷がかかるため、あくまで2倍程度が限界だろう、という予想である。ただ実際には2倍では歩けずに、1.5倍の拡大率に落としている。)

2. 材料

主な材料は以下の通り
・アルミ角パイプ (主軸)
・鋼の丸棒 (ジョイント)

材料選定理由としては、安い、軽い、加工しやすい点にある。軽いという点は、スケルトニクス製作において重要なポイントである。先述の取り、動作が2倍に拡大する=負荷が2倍になるため、材料が重いと最悪動かせなくなる可能性もある。骨格のほとんどを占めるアルミ角パイプは比較的軽い。(そして材料費が安いことも、学生時代には重要な点であった。)

3. 加工

主な加工は以下の通り
・切断
・穴あけ

リンク機構、とりわけスケルトニクスは、複雑な加工を必要としない。基本的にはアルミ角パイプを切る、角パイプを繋ぎ合わせるために穴をあけて、そこに鋼の丸棒でジョイントする。
切る、リンク機構で繋ぎ合わせる…とスケルトニクスができあがる。

4. 外装、オプションほか
骨格ができあがれば、あとは自分好みに外装を考えていく。ただし、動かすことを考えてあまり重過ぎない材料を考えなければならない。初期のスケルトニクスはシルエットは攻殻機動隊にでてくるアームスーツ、外装の印象はパトレイバーのイングラムをイメージしている。

最新のスケルトニクスは頭を追加し、また重量感・威圧感を前面に押し出すようなデザインにした。

赤い外装を施した物も存在する.

学生時代には、足底にキャスターをつけてスケートのように滑れるように改造したこともある。

このように、スケルトニクスは骨格をベースとして様々な表情を持たせることができる。スケルトニクス用着ぐるみをかぶせれば、見たこともないダイナミックなキリンや象を表現することも可能になるかもしれない。(人間の形を主体としているので、骨格を変える場合には要相談となるが。)スケートのようなオプションも、要望があれば随時提案させていただく。もちろん、僕たちが面白いと思うものもどんどん追加していく予定である。

スケルトニクスのこれから

僕たちはよく「これって何に使えるの?」という質問を受ける。答えは「何にも使えない」である。決してネガティブな意味でなく、使えるもの以外をこれまで誰も作らなかったから、スケルトニクスのような面白い物は出てこなかったと考えている。使える、使えないではなく、面白いか、面白くないか。僕たちにとっては、そこが重要なポイントである。使えるものという概念を主軸にすると、身動きができなくなり、新たな発想は生まれなくなると考えているからだ。もちろん使える物も大事だが、使えない物を作る奴がいたっていいのではないだろうか。スケルトニクスはこれからも何にも使えない。ただ、「何か面白い」プロダクトとして、これからも人々にインパクトを与えるような存在になりたいと考えている。

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