OPEN A&T!(2)「あし@」

OPEN A&T!(2)「あし@」

中垣拳
中垣拳 (ID133) 公認maker 2014/07/09
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この連載は、慶應SFCにて1年生を対象にインタラクティブアートのワークショップを提供している団体A&T( http://at.sfc.keio.ac.jp )のノウハウやテクニックを、作品づくりを始める人に向けてオープンにしていくものです。

早速今回の作品紹介に参りましょう。

あし@ - A&T2013

https://www.youtube.com/watch?v=kXjgqXeU33Q

A&T2013において制作されたあし@は自分自身の足跡に生命を宿すような作品です。人が歩いたあとに残る足跡は、その人自身の痕跡を示すパーソナルな存在で
す。この作品では足踏みをして蓄積された足跡が、自分の一声で魂が宿ったかのように動き始めます。また、笛を鳴らすと動いていた足跡が一斉に整列します。

足跡が急に動き出したとき、それを自分の分身のように感じるのでしょうか、はたまた自分自身とはまったく違う存在のように感じるのか? そんな奇妙な体験を狙った作品でした。技術的には、Kinectによって足の動きを検出し、プロジェクタによって足跡を投影するような仕組みでした。


というわけで前回に引き続きアイデア出しにおける細かいテクニックに入っていこうと思うのですが、その前にひとつ基本的なことを忘れていたので、ここで触れておきたいと思います。

議論/制作のログをとる

作品制作のプロセスの中でアイデア出しや制作のプロセスについて、あとから振り返ることができるようにきちんと記録を取っていきましょう。チームの場合は、関係者のみがアクセスできるwebサービス(wiki、google docsなど)を利用すると良いでしょう。

 ちなみに、A&Tのワークショップでは、ログを残す為に専用のブログを作っています。このブログの中では、1年生のチームがアイデア出しや制作の進捗を報告する形をとっています。これに対して上級生がブログのコメント機能を介してフィードバックを行います。アイデアが外に漏れないよう、ブログは関係者しかアクセスできないようにしています。このブログには、進捗報告以外にも作品づくりに役立ちそうな参考URLやノウハウなども蓄積していっているので、A&Tが継続する仕組みとしても大いに役立っています。

アイデアを組み立てるときに。

前回はアイデア出しにおいて、新規性と説得力に重点を置くことについて述べました。今回はアイデアを組み立てていくときの、注意点などについて書きたいと思います。

■体験の流れを意識する
 展示における具体的な体験の流れを意識しながらアイデアを組み立てましょう。鑑賞者がどのようにその作品に接するのかをどれだけイメージできるかが重要で
す。
作品の世界観にどのように引き込み、こちらの狙っている体験を提供できるか。もし展示する場所が決まっているならば、その展示会場の環境や体験者の層、一人当たりに要する時間などまで気を払って、体験の流れを綿密に設計していけると良いでしょう。


■アイデアの核はどこにあるか
 アイデアを組み立てていると、アレもコレもと付け足しながら考えているうち
に、要素が多くて複雑になってしまうことがあります。ごちゃごちゃしてしまってコンセプトがよくわからない状態になっているものをたまに見かけます。そんな時は、そのアイデアの何がおもしろいのかということをきちんと整理しましょう。
 おもしろいと思う部分がなぜおもしろいのか、具体的な言葉に変換しながら丁寧に抽出することで、削ぎ落とすべき無駄な部分が見えてくるでしょう。そうして、まずはなるべくシンプルでわかりやすい体験を提供できるような形を考えてみましょう。
 アイデアの核となる部分さえきちんと抑えられていれば、発展的な要素を加える際も、その本質を引き立てるように設計していけるはずです。



 次回はアイデアを実現していく制作編に入っていきます!


これまでの連載:中垣拳
「インタラクティブアートを始める人へ」OPEN A&T(1)
https://media.dmm-make.com/item/267/

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