「Flying Pants2」 羽ばたき飛行機製作工房(2)

「Flying Pants2」 羽ばたき飛行機製作工房(2)

羽ばたき飛行機を語りつくす?連載の第2回目。
最近のプロジェクトについて紹介します。

下の画像の機体は、筆者が2013年に設計・公開したゴム動力の模型羽ばたき飛行機「Flying Pants2」です。 部品に3Dプリントパーツを利用して組み立てを簡略化し、小学生でも作れるキットとしました。

飛行シーンの動画:

http://youtu.be/NfzHwQsOSN8
http://youtu.be/lLdVg_xzrBg

ここ1年の間、このキットを使用して各地で体験ワークショップを開催し、これまでに数百機を製作いただきました(下は2014年6月にキッズプラザ大阪で行ったワークショップの際の様子)

今回はこの機体を題材に、羽ばたき飛行機が飛ぶ基本的な仕組みを考えてみます。

まず平面形。単純な二等辺三角形です。中央を縦に二等分する線を軸として、機体全体が羽ばたき翼です(尾翼?ありません。要りませんので)。

翼面は薄手のポリエチレンフィルムです。翼前縁には、スパー(翼骨)が通っています。一方、翼後縁には骨組みがないので、翼を動かすとひらひらはためきます(ここがミソ)。

この機体、左右の骨を羽ばたかないよう固定して投げれば、きれいに滑空します。つまりグライダーでもありますが、ゴム動力で翼を羽ばたかせることで、機体を前に押し出す力(推力)を生み出し、自力で飛行します。

それでは、なぜ翼を羽ばたかせると推力が発生するのでしょうか。それは、先ほど触れた、翼後縁に骨組みがない膜状の翼にヒミツがあります。

下の動画は、このような膜状の翼を羽ばたかせたときに翼の回りに発生する空気の流れを示しています。ダイビングのときに足に付けるフィンや、うちわであおぐように、翼面がしなやかに波打ちながら羽ばたくことで、表面に沿って空気の渦が生まれて、後ろ向きに流れていくのがわかります。これが推力となり、機体は前に進みます。いわば空飛ぶうちわですね!

http://youtu.be/KwIKzvBpskM

(Bradley Froehleによる。本人の同意を得て転載)

それと、もう一つ大事なことは軽さです。この機体は動力用の輪ゴムを含めても2グラム程しかありません。一円玉2個分というか、同じ面積のコピー用紙と変わらない重さです。機体をできるだけ軽くすることで翼面荷重を減らし、少ない推力でも容易に飛ぶことができます。

以上大変おおざっぱですが、実際に機体を製作して飛ばしてみた経験と観察にもとづいて書いてみました。もっとも、自然界における羽ばたき飛行の仕組みは様々であり、今回紹介した方式はそのごく一部を簡略化して再現したにすぎません。最近、ネットでは「飛行機はなぜ飛べるのか」について議論が盛り上がっているようですが、何億年も前から羽ばたいて飛んでいる生物にとっては、人間達は今ごろ何いってるんだろうねーという感じかもしれません。

次回は、この機体を世に出すことを可能にした2つの技術、3D CADと3Dプリントについて紹介予定です。お楽しみに!

これまでの連載:羽ばたき飛行機製作工房

羽ばたき飛行機製作工房(1)
https://media.dmm-make.com/item/919/

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