Kickstarterでクラウドファンディング(2)「リワードを決める」

Kickstarterでクラウドファンディング(2)「リワードを決める」

清水信哉(AgIC)
清水信哉(AgIC) (ID173) 公認maker 2014/11/10
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まずは何を出すのか、いくらで出すのかを決める必要があります。極論すると、クラウドファンディングの出資者が最終的に気にするのは「いくら出せば何が貰えるのか」です。今回はその決め方についてご紹介します。

こんにちは、AgIC( http://agic.cc/ )の清水です。さて、Kickstarterに出すと決まった段階で、まず決めなければならないのは、当たり前ですが具体的に何を出すかです。クラウドファンディングの出資者が最終的に気にするのは「いくら出せば何が貰えるのか」ですので、まずそこを決めて、それに誘導するようにビデオなどのプロモーション材料を作っていくのが良いと思います。今回は我々の例(と反省)を交えて、リワードリスト作りのTipsについてご紹介します。

$20-30くらいのリワードを入れておくのがおすすめ

カテゴリにもよりますが、Kickstarterのリワードのボリュームゾーンは$20-30だと思います。KickstarterでBack(出資)をするのは、Amazonで物を買うのとはかなり違っていて、本当に期限通り来るかどうかも分からない(というか統計上は期限通り来ないことのほうが多い)、クオリティも担保されない、そういった状況の中で高額のBackをするのはなかなか躊躇してしまうところがあると思います。

さらに、Backer(出資者)の中には、「この製品が欲しい!」というのももちろんですが、「このプロジェクト面白そうだから応援したい!」という純粋な応援目的でBackする方も多くいらっしゃいます。また、「このバンド、メジャーデビュー前から応援してたんやで」欲求でBackされる方もいらっしゃると思います。実際、私も自分がBackしたプロジェクトが世界的に有名になったら「実はこれKickstarterでBackしててん。絶対流行ると思ったからな。ひと目で分かったわ」とかドヤ顔で言いふらすと思います。で、そういった方にとってもちょうどいいのが$20-30のリワードです。$5じゃ安すぎるし、$100では高すぎる。実際AgICでも、「使うかどうかよく分からないけど、応援したいから$29のをBackしたよ!」という声は実は少なくありませんでした。

元々プロダクトが$20-30のものであれば何の問題もないのですが、問題はもっと高い場合です。実際我々もそうでした。メインの電子回路プリントキットは$299からで、なかなか応援目的だと手が届かない価格でした。そこで、「USBポートに挿すと光る名刺をBackerの方の名前入りで作成します $29」など、応援目的の方にもBack頂けるようなリワードを作成しました。我々の場合は実は導電性ペンというちょうどいいプロダクトがあったので、それも$29で追加し、それが最多Back数のリワードとなりました。なのであまり参考にならないかもしれませんが、できるだけ製品に関連のある(Tシャツとかではない)リワードを出すのが良いのではないかと思います。

無理に安く設定する必要はない

さきほど$20-30のリワードがあった方が良いという話をしましたが、逆にメインの製品については無理に安く設定しないほうが良いと思います。なぜなら、それがKickstarter終了後のそのプロダクトの市場価格になってしまうからです。一般的に商品を値下げするのは簡単ですが、値上げはなかなか大変です。特にハードウェア製品については、思わぬコストがかかってしまうことがあります。既存部品を使えると思ったら使えずに自社開発する必要が生じた、安価な部品の製造元が潰れた/製造中止になった、型費が思ったよりかかった、安全性確保のため部品を追加する必要が生じた・・・どれもハードウェア開発あるあるだと思いますが、とにかく開発・製造とは思ったようにいかないものです。特にスタートアップだと製造原価は最大まで譲歩しても小売価格の30%くらいまでに抑える必要があると思いますが、極端な話例えば最終的に小売価格の80%が製造コストになってしまったら、もはやそのままでは売り出せず、大幅な方向転換をする必要が生じてしまいます。

配送までのリードタイムは最初の見積りの二倍かかる

前項のコスト面でもそうでしたが、とにかく開発・製造とは思ったようにいかないものです。

最初の見積もり通り進むか二倍かかるかは経験にもよると思いますが、特にハードウェアでこれまで製品を開発・製造した経験が無い場合、自分としては余裕を見たつもりでタイムラインを引いてみて、その二倍くらいみた方が無難だと思います。遅れる理由は様々ですが、例えば安全面から設計変更をする必要が生じた、いざ量産という段になって使う予定だった部品の在庫が足りなくなり二ヶ月待ちになった、など様々です。我々の最初の導電性ペンのリワード送付の際思ったより時間がかかったのは梱包と発送作業でした。基本的に数百から千程度の数量であれば、梱包など全て手作業でやることになると思いますので、それだけでもかなりの時間がかかってしまいます。

さらに現実的なことを言いますと、発送までの時間は多少であれば長くして困るようなことはありません。むしろ、多少長めに設定しておいて、予定より早く発送するというのも手だと思います。実は我々も、2014年6月送付のリワードは5月に送付するつもりで計画していましたが、5月にはそのうち一部しか送付できず、残りを一ヶ月遅れて宣言通りの6月に発送となりました。

いかがでしょうか。基本的に価格・時間についてはかなり色々なハプニングを見込んで見積もっておくというのと、かつ応援する人がBackしやすい$20-30のリワードを入れるのが大事だと思います。次回はKickstarterで最も大事なモノの一つ、ビデオについて説明したいと思います。

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