進化を続けるPhotoshop CC、アドビの見据える先とは

進化を続けるPhotoshop CC、アドビの見据える先とは

DMM.make
DMM.make (ID217) 公認maker 2014/07/15
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7/2(水)大阪ナレッジキャピタル、7/4(金)東京は渋谷ヒカリエを会場に、アドビが主催した「デジタルフォト&デザインセミナー 2014」が開催された。セミナーのトピックは、先月発表されたばかりのCreative Cloud 2014、その中でも最新バージョンのPhotoshop CC 2014が中心だ。会場には、今回追加された新機能やプロフェッショナルのワークフローについて関心を持つ、フォトグラファーやグラフィックデザイナーを中心にクリエイターが多数詰めかけていた。

本記事では、Photoshop CC 2014が備える新機能について網羅的な紹介がなされたセッション「進化し続けるPhotoshopの技法」を通じて得たPhotoshopの進化の方向性と、現時点から見えてくるアドビが描き出そうとする未来について、印象をまとめてみたい。

柔軟かつ強固に進化するPhotoshop CC

昨年、アドビは自社の製品ブランドをCreative Suiteから2012年から開始したCreative Cloudへと移行した。それに伴って、ソフトウェアの流通形態も、従来の買取型からサブスクリプション型のライセンス制度が採用された。新たに登場したCreative Cloud版のPhotoshopであるPhotoshop CCは、そのクラウドベースである特性を活かして、アップデートが頻繁に行われている。これによって堅牢でパフォーマンスの安定したソフトウェアを提供することにも繋がっていると、本セッションのプレゼンターである栃谷氏は言う。

ソフトウェアの最適化以外にも、更新が用意になったことで、高精細液晶を搭載したタブレット端末Surface Pro 3への対応に代表される試験的な機能をアップデートに盛り込み、広くユーザーが最新機能を利用できるようになった。新規機能の開発から公開、供給までの敏捷性は、ネットワークへの常時接続を組み込んだクラウド型ならではメリットと言えるだろう。3Dプリンターと接続しての3Dモデル出力機能や、クラウドベースの3Dデータ共有サービスとの連携も、このようなアップデートを経て実現されていることに注目したい。

デザインをより身近に、デスクトップ環境からの解放

会場でデモンストレーションされた、iPadで精緻な画像編集をタッチ操作で直感的に行うことが出来るPhotoshop Mixや、アドビ初のハードウェア製品となるであろう、クラウドベースのペンと定規、Ink & Slideの発表も、新たなデジタルなデザインツールを発明し、これまで以上に直感的で、固有の場所に捕らわれない制作環境を提供しよう、というアドビの目論見が感じられた。

このような、ネットワークに接続してればデスクトップ、ラップトップといった端末の枠組みを越えて、タブレットデバイスやスマートフォンと連携する新しいPhotoshop CCと付随する一連のアプリケーション群の特性は、一見すると、FlickrやDropboxに代表される既存のクラウドベースのデータ共有サービスと同様に見受けられがちだ。だが、Photoshop CCを用いることで、共有されているどの端末からもPhotoshopおなじみの強力な画像編集機能で同期しながら、ワンストップでデザインを制作・共有できる。これは単にプロフェッショナルにとって有用というだけではなく、一般のユーザーにとっても、母艦となるコンピュータを中心とした固定されたクリエイティブ環境を刷新し、いつ、どこの、どの端末からでも始められるデザインのスターティングポイントを提供することに他ならない。

2Dと3Dの次元を越えた表現のプラットフォームへ

新たなPhotoshop CC 2014では、膨大なPhotoshopの画像編集機能が洗練された形でアップデートされ、より効率的なデザインワークフローの実現を可能にしている。そのような中でも特にユニークな機能が3D機能だ。

筆者はPhotoshop 5.5時代からのヘビーユーザーなので、正直なところ「Photoshopといえば2Dのグラフィックに特化したピクセルベースの画像編集ツール」という先入観を当初は持っていた。しかし、2Dの風景写真のなかに、3Dモデルの車があたかも3DCADのデザインツールのように配置され、メタリックな車体への風景の映り込みと陰影をリアルに再現し、自然でダイナミックなグラフィックが瞬く間に制作されるプレゼンターによるデモンストレーションの様子を観て、目が覚めるような衝撃を受けた。もちろん3DCADソフトと比較して見た場合、3Dデータの編集機能は隅々まで行き届いているとは決して言えないものの、Photoshop CCの持つ3Dデータを2Dの世界へ軽やかに橋渡しする機能は、既存の2Dのグラフィックデザインに、文字通り奥行きを与えることに成功している。控えめに言ってもPhotoshop CCの3D機能は、立体的な製品のプロトタイプやコンセプトデザイン、アートやアニメーション制作などのデザイン制作現場で、よりビビットなビジュアルデザインを生み出すにあたっての新たなルートを示しているといえるだろう。

紹介したセミナーの様子はUstream、ニコ生で配信され、現在も視聴することができる。Photoshop CCの最新機能に興味のある方はぜひご覧いただきたい。

■アドビ Create Now 2014
http://www.ustream.tv/channel/adobecsjp

■【Adobe×ニコニコ】デジタルフォト&デザインセミナー2014 [詳細]
http://live.nicovideo.jp/watch/lv183972526

なお、会場エントランスではDMM.makeも協賛としてブース出展を行っていた。セッションの合間には来場者がブース前でDMM.makeの3Dプリントサービスの出力サンプルに触れて、素材の感触を確かめたり、DMMがアドビと共催で行う3Dプリント&デザインコンテストについて担当者へと質問を投げかける様子がみられた。

■Adobe×DMM.make共催 3Dデザイン&プリントコンテスト
http://www.adobe.com/jp/jos/photoshopmagazine/topics/dmm-contest.html

撮影: ただ(ゆかい)

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