筋電義手handiiiの開発(3)「デザインプロセス」

筋電義手handiiiの開発(3)「デザインプロセス」

exiii
exiii (ID1009) 公認maker 2014/09/02
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はじめに

はじめまして。exiiiデザイナーの小西です。
exiiiとしての連載は3回目ですが、今回はhandiiiのデザインのプロセスを簡単に書いてみようと思います。

デザインプロセス

1. アイデアスケッチ
初号機のhandiiiの製作のプロセスはまずメカ設計を山浦が行って、そのデータをもとにデザインを行っていきました。

山浦からhandiiiの骨格を3Dデータで受け取って、その骨格はどういう動きをするのか理解した上で、handiiiのコンセプトにあったスタイリングを作っていきます。

デザインで解決したいことも考えていきます。
handiiiでは外装パーツを取り外しを簡単にできるようにして、もし壊れてもすぐに3Dプリントし直して修理したり、新しい機能を後から付加したり、気分で違う色の樹脂でプリントアウトしたパーツをつけることができるようにしたいと考えています。
ハードウェアのアップデートや、使い手が欲しい形に進化させることができるようにできることで義手に「楽しさ」という概念を取り入れることができると思い、パーツの交換が可能であることが見てすぐに分かるような形状を目指しました。

2. CADによる設計とデザインの擦り合わせ
アイデアスケッチをラフなものをとにかく描いて頭の中で膨らませて、理想を描いて、それをCAD上に落とし込み山浦の設計した骨組みに当てはめていく訳です。

だいたい形状を作ってこんな感じかなーとか思って設計山浦にデータを投げると、深夜に電話がかかってきて、「親指を曲げると親指周辺があたってしまうぞグズが」と罵倒される訳です。ひぃぃ。
そんな感じで何回かデータを設計とデザインで往復させて精度を高めていき、理想型に近づけていきます。大手家電メーカーの仕事のやり方に近いかも。(exiiiメンバーは全員家電メーカー出身)

3. プロトタイピング
そしてプロトタイプをつくります。そこで気づく問題点が非常に多いので、ここで気づいたことを次のプロトタイプに活かしていくことを目指します。この①〜③のサイクルを何回まわせるかでモノの完成度はかなり変わってくると思います。

現在handiiiは、公開しているもので3つのプロトタイプがあります。
それぞれのプロトタイプには意味があり、目的が違います。

下の写真でメンバーが手に持っているのが3つのプロトタイプです。
近藤(右)の持っているプロトタイプが試作1
山浦(左)の持っているプロトタイプが試作2
小西(中)の持っているプロトタイプが試作3

●試作1
機構の動作を確かめるためのプロトタイプ。
このプロトタイプを実際に見ながらどんなデザインにするかを考えることで効率よくデザインをすることができました。

●試作2
一般家庭でも入手可能な3Dプリンターでも出力することができる安価な義手というのが一つのコンセプトなので、そのストーリーを確認するためのプロトタイプ。
家で出力してしまえばメカ部分の材料費は5000円程度で作成することができることが確認できました。

●試作3
表面をきれいにして塗装したデザイン確認用のプロトタイプです。
このプロトタイプを持っていろんな場所でデモを行いました。
デザインプロトタイプがあると多くの人と価値の共有がしやすくなります。

このようにプロトタイプでそれぞれ意味を持たせて作ることで
課題となっている部分の検証を行ったり、開発に必要なデータを集めていきます。

プロトタイプができるたびにメンバーで課題共有ができて一歩進んだという実感が持てるので
製品の完成度を高めていく上で非常に重要なフェーズだと思います。

そして今も新たな課題を解決するプロトタイプを作成しています。
この一連の流れを何度も繰り返すことでデザインの精度も上がっていきます。

次回の僕の回ではプロトタイプにして気づいた問題点と、解決策を取り入れた新しいデザインの話を書きたいと思います。

これまでの記事

「筋電義手handiiiの開発」(1)
https://media.dmm-make.com/item/1139/

「筋電義手の仕組み・トレンド、そしてhandiiiの立ち位置」(2)
https://media.dmm-make.com/item/1441/

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