「続 HOJI*HOJI ~穴をほじって虫を捕まえよう~ 」いろんなものを拡張する(3)

「続 HOJI*HOJI ~穴をほじって虫を捕まえよう~ 」いろんなものを拡張する(3)

tnojima
tnojima (ID147) 公認maker 2014/08/21
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HOJI*HOJI 海を渡る。行き先はネパール。

IVRC作品の紹介2回目です。ちなみに今(2014年夏)まさに2014年のIVRCの審査が行われています。10月末のDIGITAL CONTENTS EXPOで、審査を勝ち抜いた10件ほどの作品が一般公開されますので、お近くの方は是非遊びに来て下さい。

簡単に前回までの流れです。紹介している作品は、木の穴の触感や、虫とのインタラクション、触覚フィードバックを組み合わせた、 2011年のHOJI*HOJIと言う作品です。
https://sites.google.com/a/vogue.is.uec.ac.jp/hoji-hoji/home

前回までで、木の穴に指をツッコミ、周囲から圧迫を与える機構までできました。
https://media.dmm-make.com/item/1531/

今回はここに、虫からの攻撃フィードバックを追加します。

攻撃フィードバック1:押し合い

フィードバックの一つは、穴の中の虫が這い上がってくるときの感覚の表現です。虫との駆け引きのような感じで、少しずつ虫が指を押し上げてきます。そのために穴の奥の方に下の写真のような押上機構を作って設置しました。左の写真が通常の状態、右の写真が指を押し上げている状態です。押上機構の一部が可動式となっており、サーボモータを使って上下させています。これで体験者の指先と虫の間の駆け引き、押し合いを表現します。

攻撃フィードバック2:突き出し

駆け引きでキレた虫は、指先を攻撃し始めます。攻撃は二種類あって、指全体を素早く押し上げるもの、細い棒状のもので素早くつつくもの、となります。どちらも素早さが必要なので、こちらはモータではなくソレノイドを使いました。下の写真は、押上機構の先端部を拡大したものです。真ん中の写真が定常状態で、右の写真が全体を押し上げたもの、左の写真が棒状のものでつつくときの様子となります。

http://youtu.be/_eXxO-iGPqo

というわけで、二つの攻撃を合わせた全体動作が、こちらになります。これで構造部分はほとんど完成です。

コンテンツと装飾

これまでに紹介した構造物を全て組み合わせたものが、下の写真のようなものになります。写真の左側が押上機構、右側が圧迫機構部分です。あとはコンテンツと、それに合わせた装飾です。

コンテンツは前回も書いたとおり、木の小さい穴を指先でほじくり出し、虫を捕まえるというものです。体験者は、穴の中に指をいれて、穴をかき広げていきます。内部をほじくっているうちに、指の周囲四方向から何かが体当たりしてきます。この、側面からの体当たりは、圧迫機構を利用して表現しました。体当たりしてくる虫に対してほじくり動作を繰り返していると、そのうち下の方からつつかれたりし始めます。攻撃にめげずにほじくり続けていくと、最終的に攻撃してきた虫を捕まえることができる、というものです。

下の写真は初期型の構成で、全てプロジェクタで切り株などを表現しています。指のそばに映っている白いものが、正体不明の虫です。攻撃を仕掛けてくる虫は何種類か用意しました。うまく捕まえることが出来ると、次の写真のように、どんな虫が攻撃してきたのかが判明する、という仕掛けになっています。

後期型になると、切り株を作ったり、落ち葉を使ったりと、装飾も凝ったものになっていきました。

ネパールにて展示。見事Silver Prize!

IVRCの作品の多くは、IVRCだけで止まるものではなく、後日いろいろなところで展示をするのが一般的です。そして少なくない数の作品が、そのような外部の展示会で受賞しています。今回はその中の一つ、ACEと呼ばれる学会での展示について紹介します。ACEはAdvances in Computer Entertainment というエンタメに関する国際会議です。毎年1回開催され、世界中から選りすぐりのエンタメに関連する研究があつまり、発表や展示が行われています。2012年のACEはネパール、カトマンズでの開催でした。

この時にはシステムもだいぶコンパクト化されていますが、システム一式を担いでネパールまで行くのですから大変なものです。ちなみに日本からの場合、バンコクでの乗り換えが一般的なようです。実際の展示の様子は下の写真のような感じで、ちょっと閉塞感のあるブース構成でした。

なので数人ブースに来場するともう満員。

この会議ではデモ展示に対して、参加者からの投票で受賞作品を決定します。そして投票の結果、見事Silver Prizeを勝ち取ることが出来ました。学生だけで始めたプロジェクトが、国際的な舞台で受賞するにまで至ったというのは嬉しいものです。

ちなみにこの会議の時には、地元からも出展がありました。残念ながら手元の記録をひっくり返して確認できるのは Robotic Association of Nepal http://ran.org.np/ だけなのですが、ロボット系の自主制作物をいくつか展示していました。ネパールと聞くと、ヒマラヤ、自然、という印象が強くあります。実際に行ってみたところ、その印象自体は間違ってはいなかったのですが、その一方でものつくりに情熱を燃やし、高い技術力を有する人がたくさんいることを知ることができたのは、とても大きな収穫でした。

■これまでの連載はこちら:いろんなモノを拡張する

HOJI*HOJI ~穴をほじって虫を捕まえよう~ いろんなものを拡張する(2)
https://media.dmm-make.com/item/1531/

魔球は未来のスポーツの必須アイテム! :いろんなものを拡張する(1)
https://media.dmm-make.com/item/1433/

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