「24^3」OPEN A&T!(4)

「24^3」OPEN A&T!(4)

中垣拳
中垣拳 (ID133) 公認maker 2014/08/19
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この連載は、慶應SFCにて1年生を対象にインタラクティブアートのワークショップを提供している団体A&Tの活動を元に、そのような作品づくりを始める人に向けたノウハウやテクニックをオープンにしていくような内容となっています!

というわけで、早速今回の作品紹介に参りましょう。

24^3 - A&T2010

https://www.youtube.com/watch?v=VID1op0TNW4

“24^3(24の3乗)”は光を制御し、影による時刻表現に挑戦した作品です。

ブラックボックスに開けられた穴の中を覗くと、時計の文字盤の上に一本の棒が立っているのが見えます。その棒から時針・分針・秒針を表す3本の影が伸びて時計のように動いています。上から3つの光源(LED)をそれぞれ独立して1本の棒の周囲を回転させることで、影による美しい時刻表現を可能とした作品です。古来より存在する日時計からヒントを得た新しい日時計の提案です。


それでは前回に続き、制作のTIPSについて説明します。

試作と思考の反復

近年のデジタルファブリケーションやフィジカルコンピューティングの普及に伴って、プロトタイピングという言葉を良く聞くようになったかもしれません。人の体験をデザインするインタラクティブアートにおいても、プロトタイピングが重要です。

プロトタイピングとして、試作と思考をどれだけ繰り返せるかが、作品の質の向上の鍵です。作りながら考え、考えながら作る。作ることでアイデアも磨かれ、アイデアを磨くことで作るモノの輪郭も見えてくる。僕自身も手を動かすことでアイデアが生まれることを多く経験しました。デッドラインまで、試作と思考のサイクルを繰り返せるようにしましょう。

最初の体験を忘れない

快感や言葉に表せない感覚を提示するような作品では、何度も試作を繰り返しているうちに、作者自身がその感覚が本当におもしろいのかわからなくなってしまうことがあります。展示会等で作品を体験する人は、多くが初めて体験する人なので、作者も毎回初めての気持ちで、作品のプロトタイプに接することができると良いでしょう。そういう意味でも、一番初めに作品を体験したときの感覚を忘れないように。言葉に表せない直感的におもしろい感覚には、人を魅了する何かがあるでしょう。

また、試作の過程で回りの人に体験して意見をもらうのも良いでしょう。

理想と現実の間で

技術力や時間、お金などの制約でどうしても理想の作品の形に落とし込むのが難しいことがあります。特にA&Tのワークショップの場合だと製作期間が1ヶ月ほどしかないこともあって、このようなことが良く起こります。こんなときは、やはり作品の本質に立ち返ることです。作品の核となる部分が見えていれば、それを体験できるような最低限の設計を考えれるはず。

しかし、作品の理想を高めることを忘れてはいけません。理想を高めることは、自分自身の言葉の引き出しも増やしてくれます。現実を見つめながらも、理想は膨らませていきましょう。

24^3においても、スケールを大きくすることで、人の上を3つの光源が回り、自分自身の影が3つの針となるような理想を思い描いていました。

大きなスケールの24^3のイメージ図

以上、「OPEN A&T!」制作編でした。次回から展示編です。いよいよ終盤。

これまでの連載:

OPEN A&T!(3)「しゃぼ音玉」
https://media.dmm-make.com/item/1519/

OPEN A&T!(2)「あし@」
https://media.dmm-make.com/item/1517/

OPEN A&T(1)「インタラクティブアートを始める人へ」
https://media.dmm-make.com/item/267/

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