こいつ・・・動くぞ! フル3DCGで廻るダイオウグソクムシ

こいつ・・・動くぞ! フル3DCGで廻るダイオウグソクムシ

『KADOKAWA(角川)』さんとの経営統合が発表された『ドワンゴ』さんコラボのグソク1号たん復活祭記念記事も、ついに最終話を迎えました。

前回までで1号たんを3Dプリントで蘇生する事に成功しましたが、今回はせっかくShade 3Dで作業しましたので3DCGデータならではのおもしろコンテンツの作り方をご紹介していきます。

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前回、ついに3Dスキャンデータから3Dプリントすることに成功し、
その姿を私たちの前に現すことになった3Dプリントダイオウグソクムシ1号。

(サードウェーブ・テクノロジーズ様 によって3Dプリントされた1号たん)



慣れない方には多少アクが強めなビジュアルですが、眺めているとだんだん良くなってしまう独特のフォルムと触角、そして誰よりも純粋に三角な瞳。
それらが素晴らしいクオリティで再現され、見るものは恍惚とさせられます。

しかし、長時間うっとりしているとどうしても気になる事がでてきます。



  こいつ…動かないのか?



じっと止まったままかたくなに身動きをとらないヒゲの紳士、1号氏。

まさか蘇生に失敗したのか?
いや、生きているときも動いてはいなかった。



それはともかく、"3Dプリントで実体化"の次は動かしてみるということで、
せっかくShade 3Dで途中のデータ修正作業をしたのですから
そのままShade 3Dで動くグソクたんのコンテンツを作らせていただくことになりました。

統合型3DCGソフトのShade 3Dであれば、この1号たんの3Dデータをアニメーションにすることも、またマウスでぐるぐる動かせるQTVRというコンテンツにすることもできます。



まず、1つめの3DCGコンテンツとして、1号たんがぐるぐる回るムービーを作りました。
これは前回ニコニコ動画にアップした完成ムービーです。


【グソク1号さんがフル3DCGでぐるぐるする動画】(ニコニコ動画)

http://www.nicovideo.jp/watch/sm23431967

ところで、3DCGで映像ができる、というのはどういう仕組みなのでしょうか?

たとえばビデオカメラで映像を撮影する場合、ビデオカメラが1秒間につきたくさんの枚数の静止画を記録する事で映像にしていますが、実は3DCGのアニメーション(動画)の場合も1秒間にあたりにたくさんの画像をレンダリングし、それをコマ送りで高速に表示することで動画として見えています。

(アニメーションの仕組み)



そういう仕組みなので、アニメーションを3DCGで作成する場合はレンダリングにかかる時間が跳ね上がります。
同クオリティなら10秒のアニメーションのレンダリング時間は静止画の時の300倍です。(30枚/秒 × 10秒)

なのでアニメーション制作の場合は、不要な計算をなるべく省けるよう設定に気を使わなければなりません。

そういう面倒はありますが、やはり「自分のイメージしたものが動く」というアニメーション制作の感動は、3DCGならではの大きな楽しみだと思います。
未経験の方は、ぜひ今回の記事をきっかけに挑戦してみていただければ本当に面白いと思います。


では、Shade 3Dでグソク1号たんをぐるぐるさせる回転アニメーションの作り方をご紹介します。

まずアニメーションを設定するShade 3Dファイルを開きます。

次に「ツールボックス」から「回転ジョイント」を選択し、1号たんがうまく回るような位置に回転軸として配置します。

(アニメーション設定のために「ジョイント」配置)



「何秒くらいで1周まわるのがちょうどいいか」を頭の中でイメージしながら回転ジョイントを0秒時点で0°に設定、そしてイメージした数秒後の時点で360°になるように設定します。

(何秒で一回転するか、イメージしながら設定)



最後にアニメーションレンダリングで動画ファイルとして書き出しますが、アニメーションレンダリングは前述の通りとても時間がかかるので、失敗のないように各設定に間違いがないか念入りに確認をしましょう。

長時間のレンダリングで翌朝になって完成したムービーが、ちょっとした設定間違いで失敗していた時の絶望などは、経験しないにこした事はありません。

(アニメーション書き出し実行前にレンダリング設定などの各設定をチェック)



また、アニメーションの設定で回転が0°からはじまり360°で終わるようにしていますので、最後と最初のコマは全く同じになります。(0°と360°が同じ位置だから)

この最後のコマは不要なので、その1コマ前までをレンダリング範囲に設定にしてレンダリングを開始します。

(回転のアニメーション設定をあえて1コマ減らす)

こうしておくと、リピート再生で1号たんがぐるぐるスムーズに回り続けますし、後で編集する場合も余計な手間が減ります。



こうして、グソク1号たんがとりあえず1周だけ回る動画が完成しました。

【グソク1号たんがとりあえず1周だけ回る動画】(Youtube)

https://www.youtube.com/watch?v=V6PJH7GHiuk

このような動画や別パターンの動画もShade 3Dで作成し、動画編集ソフトなどで組み合わせてつなげ合わせたりすると、最初の完成版動画ができ上がります。

今回はニコニコ動画にアップしたムービーとは別に、高解像度版を記事最後の部分でダウンロードできるようにしていますのでぜひご覧ください。




次に、QuickTimeVR(クイックタイムブイアール、以下QTVR)というものを作ってみます。

QTVRは、パソコン(QuickTime)上のマウス操作で、360度好きな方向に自分でぐるぐる回せるすてきなファイルフォーマットです。Shade 3Dには QTVRファイルを生成する為の機能も搭載されています。

※これは自分の思うがままにダイオウグソクムシを操り人形にするという非常にマニアックで危険な遊びではありますが、今回は特別にご紹介しようと思います。


QTVRの書き出しはとてもかんたんです。
まずQTVRにしたいダイオウグソクムシ1号のShade 3Dデータを再び開きます。

(QTVR用にShade 3Dデータを開く)



「ファイル」メニューから「エクスポート」、「QTVR Object」を選択します。

このときQTVRエクスポートが他に「QTVR Panorama」と「QTVR Cubic」の2つがあることが分かりますが、今回のように1つの物体をぐるぐる回したい場合は「QTVR Object」のエクスポートを使用します。

(ファイルメニューからQTVRエクスポートを選ぶ)



下図の入力ボックスがでてきます。

(QTVRの滑らかさを決める分割数設定)



これはQTVRがどれほど滑らかに動くようにするか、レンダリング画像の枚数を決めるメニューです。

この数が少ないと計算は速いですが、カクカク動くようになってしますので適切な数字を入れます。

ただし、例えばこの参考画像の数でも多少カクカクするわりに計算枚数は30×19枚、つまり570枚と多数の静止画をレンダリングすることになります。

アニメーションと同じで計算にとても長い時間がかかりますので、この設定は慎重にクオリティと計算負荷のバランスを検討して決めておきます。

あとは、Shade 3Dが勝手に計算を進めQTVRを作ってくれます。



しかしこのQTVRですが、最新のQuickTimeではサポートされていなく、QuickTime 7(Windows / Mac OS )をインストールする必要があるようです。

スマホで使えないし、QuickTime自体も旧バージョンしか対応していないし楽しい機能なのに色々ネガティブだなあ…と落ち込んでしまいましたが、社内で聞いて回ったところShade 3D開発チームの1人が個人的にVRをHTMLに書き出すShade 3Dのスクリプトを以前作っていました。それを使えばVRがタブレットでもスマホでも再生できますし、QuickTimeの対応状況等は関係なくなります。

せっかくの機会ですので、そのスクリプトをご紹介します。
スクリプトはShade 3Dに組み込むところが少し難しいですが、上級者の方はぜひチャレンジしてみてください。

今回は他にも、グソクたんの高解像度ムービーと、上記のQTVRデータをダウンロードできるように公開します。

【Shade 3D用HTML VR書き出しスクリプト】
http://shade3d.jp/content/files/20140514gusoku/shadedev-exportvr-v040-1-g9265fc3.zip
(個人制作で「製品」ではないので、動作しないPCが多いかもしれません。詳しくはコチラ↓ )
https://github.com/shadedev/exportvr


【本記事の掲載元ページはこちらです。】
http://shade3d.jp/news/detail/gusoku-nico03.html


【高解像度版 フル3DCGで廻るダイオウグソクムシ ムービー】
http://shade3d.jp/content/files/20140514gusoku/gusoku-kaiten-High.mp4.zip


【カーソルでぐるぐるまわせるグソク1号たんQTVRデータ】
http://shade3d.jp/content/files/20140514gusoku/gusoku-QTVR.mov.zip


さて、三回にわたり掲載させていただいたダイオウグソクムシ特集はいかがでしたでしょうか?
少しでも皆様の中でダイオウグソクムシと3Dの距離が縮まるという社会貢献ができたなら、それに勝る喜びはありません。

では、また次回もよろしくお願いします。

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