Kickstarterでクラウドファンディング(3)「ビデオを作る」

Kickstarterでクラウドファンディング(3)「ビデオを作る」

清水信哉(AgIC)
清水信哉(AgIC) (ID173) 公認maker 2014/11/13
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製品の良さはもちろんですが、Kickstarterでは見せ方が大事です。その中でも最も重要なのがビデオで、今回はその作り方についてお話します。

こんにちは、AgICの清水です。Kickstarterで何をいくらで出すかおおよそ決まったら、最もリードタイムがかかり、かつ最も重要なビデオ作成に移りましょう。ここがなかなか超えるのが大変なハードルだと思います。今回はビデオ作成の実際と、そのTipsについてご紹介します。

類似プロジェクトを探す

さて、ビデオを作りましょう、と言われてもどうしていいかさっぱり分からないと思います。そこでまずは類似のプロジェクトを探してそれを参考にして作りたいもののイメージを固めましょう。というか、構成など最初は丸パクリしてしまっても大丈夫だと思います。我々AgICの場合は、非常に近い製品で大成功を収めていたCircuit Scribe( http://kck.st/1jlr8Ar )、およびEX1( http://kck.st/18lMpEK )をかなりの部分参考にしました。基本的な流れは、通常の投資家向けプレゼンなどとも重なるところが大きいと思いますが、例えばCircuit Scribeだとおおよそ以下の流れになっています。

・背景と課題
・提供するソリューション
・チームの紹介
・技術的背景
・競合との比較
・応用例と今後の広がり
・資金が必要な理由
・まとめ

要素としてはこれくらいで、順序に関しては適宜入れ替わってもいいと思います。前述の通り投資家向けプレゼンと重なる部分が多いので、投資家向けプレゼンを作っている場合にはそれがそのまま台本になることもあります。それと最も違うのは、とにかく実例を視覚的に見せることでしょうか。これを元に台本の叩き台を作りましょう。

チームを作る

動画制作チームを作りましょう。スタートアップ界隈の方なら頭痛がするほど聞くフレーズだと思いますが、チームが大事です。全体をどこかのプロダクションにお願いするという方法もあると思いますし、仕上がりのクオリティはその方が良い可能性も高いと思いますが、当然ながらかなりのコストがかかるので、なかなかKickstarterに出す前のスタートアップや個人でまかなうのは難しい場合も多いと思います。そこで、今回は我々と同じく、自分たちで人を集めて自分たちで作る場合をご紹介しようと思います。

まず必要なのは、動画撮影者(カメラマン)、動画編集者、音楽制作者、英語ネイティブだと思います。このうちいずれかの役割を元のメンバーでまかなえると良いのですが、我々の場合は残念ながらそうではなかったので、全て社外で探してお願いしました。探し方についても色々あると思いますが、我々の場合は幸い友人経由で見つけることができました。もし見つからない場合は、いわゆるクラウドソーシングサービスを使っても良いと思います。

それぞれの役割を説明しますと、動画撮影者は文字通り動画撮影をする人です。動画編集者はそれとはまた違って、最終的に動画を編集して仕上げる人で、我々の場合は幸い撮影と編集の両方ができる方にお願いすることができました。音楽制作者ですが、ビデオにあった音楽を用意するというのはかなり重要で、なかなかフリー音源だけで間に合わせるというのも大変だと思いますので、音楽を誰かに作ってもらうのが一番良いと懐います。これも今であれば個人で音楽制作活動をしていらっしゃる方は多くいると思いますので、SoundCloudで近いテイストの方を探すなり、クラウドソーシングするなりといった選択肢もアリだと思います。最後に英語ネイティブですが、動画は基本的に英語で作成することになりますので、いくら英語に自信があってもネイティブのチェックを受けた方がいいと思います。

さらに、そういった必須の役割に加えて、我々がお願いしてとても良かったのが、マネージャー的ポジションの方です。マネージャーといっても高校野球のマネージャーではなく、仕事のマネージャーです。機材の手配、エキストラの手配、スケジュール管理、小道具制作の進捗管理など、動画制作の管理業務は多岐に渡ります。社内メンバーの誰かをマネージャーにできるといいのですが、なかなか仕事量的に厳しい場合、能力的に向いていないなと思う場合には、マネージャーに向いていそうな人にお願いすると全体の進行がスムーズになると思います。(スタートアップは常に忙しいわけで、資金調達関係やってたら動画のXXの手配忘れてた!ということになりがちだと思います)

我々の場合、動画撮影者兼編集者、音楽制作者、マネージャー、私の4人がコアメンバーとなって、動画制作を行いました。場所は弊社作業スペース、機材は全てレンタル、ということで、最もコストパフォーマンスの良い形で仕上がったのではないかと思います。

あなたのプロダクトじゃないとできないこと!じゃなくてもいい

チームが出来たら台本の叩き台を元に台本を固めていきつつ、撮影をしていくわけですが、この項目タイトルの通り、「このプロダクトじゃないとできないこと」にこだわり過ぎなくても良いのではないかと思います。確かに「技術的にここが優位で、なのでこういう我々のプロダクトでしかできない応用例がある」というのは論理としては綺麗なのですが、ユーザからするとそういうのは案外どうでもよくて、「これ買ったら面白いことができそう」とか思わせるのが勝負だったりします。さきほど投資家向けプレゼンと流れは似ると言いましたが、投資家向けプレゼンとの最大の違いはそこだと思います。ユーザは必ずしも競合比較分析チャートを見て商品を買うわけではないので、あまりそれにこだわらず、「この製品を買ったらどういう遊び方ができるか」を見せていくのが良いのではないかと思います。

細かいTIPS

動画制作に関しては細かいTIPSがいくつかありますので、それをご紹介したいと思います。

1. CGは禁止
Kickstarterでは最終製品をCGで見せるのを原則禁止しています。そうではなく、現時点でのプロトタイプを見せろ、ということです。これは前編フルCGで実現不可能な製品で投資を集めるようなことを防ぐためだと思われます。
最後は交渉次第ですが、CG利用については確実に指摘されるので、注意が必要です。

2. チームの顔を見せる
比喩ではなく、物理的にビデオにチームが登場することが原則推奨されます。これも詐欺を防ぐという目的と、応援をお願いするプラットフォームというKickstarterの特性上の理由があると思います。挨拶に出てくるだけでもいいですし、全編チームの代表のナレーションにしてもいいと思います。色々なビデオを見てると、最初から最後までチームの代表が喋っているだけ、という風なものもあるくらいです。

3. 長さは最大2分
ビデオは最大でも2分におさめた方が良い、というのがよく言われる目安です。長過ぎると見てくれない、短すぎると伝わらない、というところですが、実際に見てみると2分でも結構長いです。
ここでこっそりKickstarterのadmin画面を見せてしまいますと、実は動画が何回再生されたかの他に、どれくらいの割合が最後まで見たかも知ることができます。AgICの場合は、スクリーンショットにもある通り、55.43%、つまり半分強しか最後まで再生されていません。数字としては悪くないと思いますが、2分ちょっとでも全部見てくれない人が多いのが分かると思います。

4. 字幕をつける
これは前回我々がやらなかったことなのですが、英語の字幕をつけたほうが良いと思います。ナレーターの英語に自信があったとしてもです。これは実はノンネイティブが聞いた時のためで、日本語ネイティブは外国人の片言の日本語でも割と意味を汲み取れるにように、実は英語ネイティブはかなり崩れた英語でも理解はしてくれます。ただ、聞き手もノンネイティブの場合、ノンネイティブの英語を聞き取るのは急激に難しくなります。
そういったユーザを逃すのも勿体ないので、字幕はやはりつけたほうが良いと思います。これは我々の反省でもありまして、次回からはつける予定です。


いかがでしたでしょうか。ビデオはとにかく重要ですが労力がかかるところで、ここでもビデオ制作を1ステップごとに全て記述することはできていませんが、とにかくチームを作って、時間とお金を可能な限りかけることが必要だと思います。
次回はビデオ以外の本文の制作についてお話していきたいと思います。

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