「TimeTurner」OPEN A&T!(6)

「TimeTurner」OPEN A&T!(6)

中垣拳
中垣拳 (ID133) 公認maker 2014/09/09
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この連載は,慶應SFCにて1年生を対象にインタラクティブアートのワークショップを提供している団体A&Tの活動を元に,そのような作品づくりを始める人に向けたノウハウやテクニックをオープンにしていくような内容となっています!

TimeTurner - A&T2012

https://www.youtube.com/watch?v=rZT-ZaE7n6k

TimeTurnerは、「時を操る」というコンセプトを元に、砂時計を回すと落ちてく砂と連動して額縁の中の世界が動き出すような作品です。枯れていく薔薇、破壊されるワイングラス、それぞれの三十秒間を砂時計に閉じ込めています。

技術的には、砂時計に砂の動きを予測する為の加速度センサーがついているシンプルな仕組みです。画像処理で砂を検出する案などもありましたが、砂が落ち切る瞬間に、映像もぴったり終わるようにするところに苦労していました。

彼らのチームは同じコンセプトで、この後ももうひとつ以下のような作品の制作も行いました。

https://www.youtube.com/watch?v=-lk7YyXybfU

ひとつのコンセプトについて複数のアプローチで体験を創っていくことができると、体験者への説得力が増すだけでなく、自分自身の思考を深めるきっかけとなるでしょう。

というわけで、今回のTIPSにまいります。展示編の後半です!

作品の展示は、その展示会において展示する目的をしっかりとふまえたうえで、展示をデザインしていくことが重要です。展示会の種類にもよりますが、やはり作品として、効果的な体験を生み出すことを前提にここでは世界観を創ることを中心に説明していきます。(具体的にはIVRCを少し意識しています)

世界観を作り込む

ユーザが体験のストーリーに入り込めるように世界観を丁寧に作り込みましょう。外装などデザインを徹底して洗練させることで、自ずと体験の質も上がるはず。手作り感、文化祭感が出ちゃうのはなるべく避けたい。ネジの素材や形状、ポスターのフォント、パネルの断面など細かな外装にまで気を配れるようになりましょう。

TimeTurnerのチームは、インタラクションそのもののみでなく外装の美しさにも拘ることで、展示会でも評価を得ていました。

技術の存在感が世界観を壊す

上の話にも通じることですが、いかに良い体験を持ち帰ってもらうかということが重要なので、世界観を壊しうる技術的な部分はなるべく見せないようにしましょう。PCやArduino,スピーカ,機器の配線などは極力隠すこと。万が一見えるとしても、綺麗に配線、配置すること。「あそこにカメラが……」というように技術的な部分に体験者の気が向いてしまうと、その世界観に入り込むことを阻害してしまいます。

また、裏でこっそりプログラムの閾値をキーボードで調整するようなこともあるかと思いますが、その様子が体験者から見られないように工夫しましょう。体験者の前で、堂々とリンゴマークを見せながらMacをいじっているような状況は体験の質を大きく下げます。

技術を見せられるようにする

これは一見、上の話と矛盾していますが、テクノロジーを用いた作品の展示では、多くの人が技術のことを聞いてきますし、アドバイスをくれる人もたくさんいます(特に工学的な場において)。世界観を壊さないことは第一に、一通り体験を終えたあとになると思いますが、技術的な仕組みも説明できるようにしておきましょう。システムの機構や仕組みを簡単に見」れるようにしておく、分かりやすい模型を作っておくなどのテクニックがあります。その作品で使っている技術・開発した技術の価値・新規性も(もしあれば)語れると効果的でしょう。

次回はいよいよ「OPEN A&T!」最終回となります!

これまでの連載:中垣拳


「Re Flower」OPEN A&T!(5)
https://media.dmm-make.com/item/1875/

「24^3」OPEN A&T!(4)
https://media.dmm-make.com/item/1871/

「しゃぼ音玉」OPEN A&T!(3)
https://media.dmm-make.com/item/1519/

「あし@」OPEN A&T(2)
https://media.dmm-make.com/item/1517/

「インタラクティブアートを始める人へ」OPEN A&T(1)
https://media.dmm-make.com/item/267/

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