クルマだ!飛行機だ!ノルウェーの工業都市MakerFaire Trondheim 2014

クルマだ!飛行機だ!ノルウェーの工業都市MakerFaire Trondheim 2014

DMM.Makeついにヨーロッパ進出。最北端のMakerFaire、trondheim(トロンハイム)に行ってきました。

ノルウェーは、ドイツと同じぐらいの大きさの国土に、900万人しか人数がいない、人よりペンギンの方が多いような国で、第三の街トロンハイムの人口は16万人。Mini MakerFaire山口が行われた山口の19万人より小さく、大垣市と同じぐらいの人口が、大垣市の3倍の広さに散らばっている、すごい田舎町です。

僕は今、スウェーデンのThe conferenceという国際会議に、日本のプロトタイプについての講演のオファーをいただいてヨーロッパに来たのですが、どうしてもヨーロッパのMakerFaireが見たくて、その後も残ってトロンハイムまで来たのでした。

そばに名古屋や京都みたいな大都市がないというハンデがあり、かつ大垣の三分の一の人口密度のトロンハイム。どんなMakerたちがいたのか紹介します。
グリーンランドやフィンランドではMakerFaireがなく、このトロンハイムのMakerFaireはオスロトならんで現時点で最北端、極北のMakerFaireだと思います。
レポートする日本人もたぶん僕だけだと思います。

白夜の国のMakerFaire

北欧の街は、どこも数百年前の建物は残ってるし、カンバンもバスも、目に入るモノ全部が北欧デザインなのでカッコイイです。現地の日本マニアから、「魔女の宅急便はノルウェーがモデルだ」と言われました。


とにかく日本から遠い場所です。日が暮れるのは夜のPM10:30。気温は真っ昼間で20度、どの飲み屋も暖炉やヒーター使用。冬になると一日2時間ぐらいしか日照が無い。
北国だから食べるものがなくて、いちおう黒くて酸っぱいパンが名物なんだけど、地元の人も「まあ俺はピザの方が好きだよ」と言って、地元にはノルウェーの料理屋もほとんどない(ケバブ屋とピザ屋、スターバックスとマクドナルドはある。あとビールも自前で醸造してる)、いろいろ別世界です。

ぼくも、真っ昼間なのにシャツ+長袖フリース必須でした。ノルウェーの人たちは半袖で歩いていたけど信じられない。シンガポールとの気温差は25度あります。


大垣には日本が誇るIAMASがありますが、トロンハイムにもノルウェーを代表する工科大学があります。NTNUと呼ばれるトロンハイム国立工科大学の学生達が多く参加したこのフェアは、出展は70組の「Mini MakerFaier」でしたが、MakerFaireの名に恥じないモノでした。

クルマだ!飛行機だ! ハードウェアスタートアップだ!

ノルウェーには自動車メーカーはもうないはず(ヴァイキングの名残か、造船が有名)ですが、NTNUには大きな自動車学科があり、学生中心にフォーミュラカーを作っています。
卒業した学生が電気自動車のベンチャーを立ち上げるなど、自動車に対しては関心が深い模様。
一台だけではなく2台展示。

緑の方はアルミフレーム、こちらの銀色のほうはカーボンでモノコック構造の本格的なものです。

コンパネはカーナビ用の液晶を流用したとおぼしきLCD装備、ギヤも跳ね上げ式。かつ、ラベルをポストイット系の紙で貼ってあるところに好感が持てます。

こちらは、今回もっともテンションが上がった飛行機。プロペラ機なので一見古そうに見えますが、全部カーボンで作られている歴としたハードウェアスタートアップのプロダクトです。
最新技術で設計されていて、たった500Kg.
離陸に必要な距離はわずか20m。

次のバージョンでは川や湖からも飛べるようにするなど、実際に役立ちそうな夢のあるプロジェクトでした。
http://www.cubcrafters.com/carboncubss
に詳細があります。

スタートアップとはいえ、開発していたのはシブいおっさんたち。
こういうところは、「何歳になっても再スタートできる」高税金・高福祉の国の底力を感じさせます。ノルウェーの物価はほぼ欧州最高だそうで、コーラペットボトル500ccが500円ぐらい、二段ベッド相部屋のの一番安いホステルが6000円ぐらいします。

もう一機、グライダーも。こちらは学生のプロジェクトの模様。

もちろん子供に大人気で、操縦席に座らせてもらうために長蛇の列ができていました。

なんと銀行もブースを出展。
「スタートアップにお金貸します」とのこと。

研究者、ホビーMakerのヴァイキングたち

もちろんスタートアップばかりではありません。DIYの人や研究者(Researcher)も多くいます。

ただ、海外だと、面白いDIYの人はすぐ会社を立ち上げてプロになってしまうようですが。。。

彼はEric。ストローを使っていろんなモノの構造をあっというまに作ってしまう、StrawbeesというプロジェクトでKickstarterに成功、、 2014年の Maker of the Yearに輝きました。
ノルウェーの出身で、地元のMakerFaireに出展。今は世界中を飛び回っています。

ストローだけで構造体を作ってしまうStrawbee。
彼と僕は、スウェーデンの"The Conference"という国際会議の、
「なんでもプロトタイピングする」(Prototype Everything)というセッションで一緒に登壇し、ここでも一緒だったのですごく仲良しになりました。

エリックのプレゼン
http://videos.theconf.se/erik-thorstensson-prototyping

僕のプレゼン
http://videos.theconf.se/masakazu-takasu-prototyping

11月に台北に来る用事があるみたいなので、「そのままMakerFaire東京に来てよ、チームラボMake部で一緒に出展しようぜ!」と誘っています。

成立したら注目の出展になるでしょう、来て欲しいですね。

Atmelブースの、マイクロコントローラー制御のシンセサイザー。たぶん古い電子オルガンの部品。
奥に見えるのはヤマハのシンセです。

おなじみ3Dスキャニングブース。大量の一眼レフで、一瞬で3Dスキャンを終わらせるとのこと。

トロンハイムのハッカースペース、Hackheimによるプロジェクション+Z軸カメラ。
砂場のへこんだところに自動的に水の映像が映し出されます。
電通大小池研でこういう研究をやっていた気がして親しみがわきました。

ドローンとOculus Riftを使った飛行体験。
これも子供達に大人気でした。
日本のOcufesを紹介したのですが、聞いたことがないとのこと。

深圳発のプロダクト、Makeblockを使って3Dプリンタを組んでる人もいました。
Makeblockについては野尻先生のブログに詳しいです。

ニコニコ技術部 深圳観察会レポート(3)「うちのボスがデザインしたのよ」
http://ch.nicovideo.jp/nojiri_h/blomaga/ar600033

深圳からのプロダクトがここまで届いてるのですね。

この変な人はNTNUの教授。
基調講演をつとめた僕のNecomimiとか様々なプレゼンに興味を示してくれて、そのうちまたトロンハイムに呼んでくれるとか。楽しみです。

会場内でアピールをしていた半裸の集団。教育に関するアピールのようです。おしゃぶりを加えてるのが、「僕らはまだ子供です」とのこと。

バイオ関係をやっているNTNUの研究室。
養殖した魚を提供していました。

魚。お酒のつまみにするフィッシュキューブみたいな味で、あんまりおいしくなかった。

大人気だった球形ロボ。変形しながら、ころころと転がって走ります。

溢れるMakerFaireらしさ

工作を楽しむ人々の笑顔、子供連れの来場者の跳ね回る様子に、MakerFaireらしさは溢れていました。

トロンハイムのブースは、1ブースが大きな1テントなので、すごくゆったりとみられます。
また、街の中心の広場がまるまるMakerFaireの会場になっているため、町中の人が訪れます。

会場内のどこからも見える巨大なLED掲示板。
撮影スタッフやインタビュアーはプロの模様。

バス停の壁は、この数日だけパックマンや、「両手を置くと何か起こる」みたいなInteractiveなものに姿を変えています。
HK*という広告制作会社が作っている模様。僕はそこでもプレゼンしました。

別のバス停は巨大サインに。

水中ロボットブース

クラフト系のブースは少なく、彼女ぐらいでした。

そして終了パーティーの行われた午後11時すぎ、やっと訪れた夜の闇を、Hackheimが作成したテスラコイル(手に落雷させる)が切り裂きます。

Makerみんなで、テスラコイルを祝福して、MakerFaireTrondheimは終わりを告げました。


巨大な出展物、多く見たグリーン電力やサステイナブル関係の展示、飛行機や自動車と言ったもともと得意だったものにフォーカスを当てるなど、「伝統」を印象づけられ、アジアとの違いを感じたMakerFaireでした。

追記:基調講演をやりました

僕は、1時間ぐらい時間をもらって、
・日本のDIYについて ニコ技輸出
・チームラボの紹介、特にMakerに向けてプロトタイピング手法
という2つの内容で基調講演をやりました。
事務局が、内容を6分にまとめてyoutubeにアップしてくれてます。うれしい。

https://www.youtube.com/watch?v=APLc5hzn5Ns

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