フラット旅行記(1)「ステートメント」

フラット旅行記(1)「ステートメント」

Shunya HAGIWARA
Shunya HAGIWARA (ID131) 公認maker 2014/04/27
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こんにちは、ここで連載をさせてもらうことになりました。萩原(はぎわら)です。


わたしはウェブデザイナーで、プログラムを書いたり、デザインをしたり、そういうことを主にしています。それ以外にも編集とデザインのユニット cooked.jpやインターネットリアリティ研究会 (ICC)、100年前から続くインターネット上の秘密結社 IDPW (アイパス)などの幾つかのグループでも活動しています。

>cooked.jp
http://cooked.jp/
>インターネットリアリティ研究会 (ICC)
http://www.ntticc.or.jp/Exhibition/2012/Internet_Reality/index_j.html
>IDPW (アイパス)
http://idpw.org/

わたしの仕事の多くはあなたが今、読んでくれているように、ブラウザを通してスマートフォンやコンピュータのモニター上で見られるものばかりなのですが、この連載では3Dプリンタを使うことができると聞いて、今まで興味があったもののまだ体験したことのなかった3Dプリントの世界に足を踏み入れてみようと思いました。

足を踏み入れるというものの、ウェブの仕事を中心にしていると物理的な世界がすごく遠いもののように感じるときがあります。
そもそも物理的な世界に生きているのに変な話だけれど、自分が作ったものがディスプレイ以外の装置で見れるられることが少ないから、本とか、家具とか、そういう物理的なデザインをみると、自分からは遠く別の世界の話のように見えるんです。
ちょうど日本に住んでいて、海外の事件のニュースを聞いた時に、気にはなるけどリアルには感じない。そんな感覚がどこか物理的なものづくりに対してある気がしています。わたしにとってはウェブが国内なら物理的なものは海外といった感じ。

でもせっかく3Dプリンタが使えるのであれば、そんな遠くて感じている物理世界へ、画面のなかで作っているものを3Dプリンタという飛行機に乗せて旅行に連れて行ってみたいなと思ったわけです。つまりこの連載では普段わたしが作っているコンピュータの中で動くプログラムやブラウザ越しにみられるデザインを3D化するというテーマで回を重ねていけたらいいなと思っています。

この説明だけじゃなんのこっちゃという感じかもしれないですが、インターフェースが「フラットデザイン」化するすこし前まで、ボタンやスクロールバーは現実では見たことのないくらいにツヤをもってぷっくりと膨れ上がって、テキストは活版印刷機で強く押し付けたかのように強く刻み込まれていたりもしました。これを「スキュアモーフィックデザイン」なんて言葉であらわす場合もあります。まったくピンと来ないけど。

かつてジェリーのようなツヤをもっていたスクロールバー

フラットデザイン以前のボタン 平面にこれでもかと強く押し込まれている

コンピュータの画面は物理的にフラットなので、インターフェースはそれに負けないようにと一生懸命背伸びをしていたのかもしれません。でも3Dプリンタがこれだけ普及した時代になって、もうインターフェースが背伸びする必要もなくなってきたのではないか、それどころかコンピュータの内側から物理の世界に飛び出せるのではないかとそう思い始めているのです。

前置きがながくなりましたが、わたしの連載はそんな時代にまだ実空間で見たことのないウェブを物理的に出力していくというものです。
一回目は「easing」を外に連れてだしてみます。あまり馴染みのない単語かもしれませんが、ウェブや映像を作る人にとっては、ごく一般的な言葉です。「ease」を辞書で引いてみると「安静, 安楽」などとありました。そういわれると「easy」という単語の系列なんですね。今知った。
こちらの世界では「動き方」を表す言葉で、「ふわっとフェードインさせて」とか「シュッと横切って」とか「ボヨンと跳ねて」とかそういう時の「ふわっ・シュッ・ボヨン」を実現させるための計算式のことを言います。こういう部分が計算でできてるのって考えてみると妙だけど、このeasingを3Dプリントします。どうやるかをこれから考えなくては。

ちなみに「フラット旅行記」というタイトルは思いつくままにつけてしまったけど、あとあと後悔しそうでちょっと心配。

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