スポーツをMakeしよう-EC2014AugmentedSports「いろんなものを拡張する(4)」

スポーツをMakeしよう-EC2014AugmentedSports「いろんなものを拡張する(4)」

tnojima
tnojima (ID147) 公認maker 2014/11/13
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執筆時期は10月上旬、秋です。読書の秋、食欲の秋、スポーツの秋、秋はいろいろと楽しみの多い時期ですね。ここの読者の皆さんはきっと、Makeの秋でしょう。しかし体も動かさないと、健康には良くないです。というわけで、両方組み合わせてみることにしました。

実はスポーツは、昔から技術とともに変化してきました。端的な例は「モータスポーツ」でしょう。一方、現代でこれだけ情報技術が発達しているというのに、そういう技術がないと出来ないスポーツはありません。ここまでくれば話は簡単。なければ作ればいいのです。

「HMDを使ったスポーツ」募集企画

きっかけはEC2014(エンタメに関する学術会議) (http://ec2014.entcomp.org/ ) 運営の方からの「EC2014で体育館使えるけど、何かやります?」という1本のメールでした(運営の中の人々に感謝!)。そこから紆余曲折をへて、「HMDを使ったスポーツ」の企画が実現しました(http://ec2014.entcomp.org/cfp.php#asos )。ただしHMDといっても、Oculus Rift(http://www.oculus.com/) やハコスコ(http://hacosco.com/) などのいわゆる”Head Mounted Display”のことではありません。せっかく新しいスポーツを作ろうというのですから、Displayだけに限定するのはもったいないというものです。ですのでHMDを少し読み替えて、”Head Mounted Device”、つまり「頭部搭載型装置をつかったスポーツ」を募集することになりました。もちろんここにはDisplayの方のHMDも含みます。

ちなみに本記事のタイトルであるAugmented Sportsにはうまい日本語訳がないのですが、「技術により現実を超越したスポーツ」、といえばあながち間違いではないかもしれません。スポーツはこれまでも、技術によって新しい分野が作り出されてきました。モータスポーツなどはその典型例ですね。車がなければ生まれなかったスポーツです。それでは現代の技術はスポーツに何をもたらすのでしょうか? その一端を紹介していきたいと思います。ちなみに作品リストは EC2014のサイト(http://ec2014.entcomp.org/program.php#asdemo) からも見ることが出来ます。

Hikari Dodge

一言で言えば、ドッジボールにビデオゲームの技術の融合を目指したものです。

例えばよくあるRPGゲームでは、各キャラクタにヒットポイント(HP)が設定されていて、キャラクタ毎に異なる攻撃の種類や威力、防御力が設定されています。また、中には回復魔法など特殊な能力も定義されたりしています。このようなゲームでは一般に、単純に攻撃力の強いキャラクタだけいればよいというモノではありません。攻撃力の強いキャラクタ、防御力の強いキャラクタ、特殊能力を扱うことのできるキャラクタ、多様な特性を組み合わせてゲームを攻略していきます。

一方現実のドッジボールでは、体力があり、運動能力の高い人が圧倒的に有利です。ビデオゲームほどのプレイヤの多様性はありません。そこでドッジボールに、ビデオゲームで採用されているポイントシステムを導入することにしました。それがHikari Dodgeです。

Hikari Dodgeのルール

基本は普通のドッジボールです。相手側から投げられるボールになるべく当たらないように、そして相手チームにボールをぶつけるようにするものです。ただし、各プレイヤにはHPと防御力が設定されています。ちなみに実際のゲーム中ではライフポイントやダメージポイントという言葉を使ってましたけど、正直わかりにくいので(特にダメージポイント)、ここではHPと防御力という言葉に置き換えて紹介しています。

プレイヤにボールが当たると、その時の防御力に応じて、HPから一定値が引かれていきます。そしてHPが0になったら、外野へ移動するわけです。ただし、防御力は一定値ではありません。外野や観客など、周囲の人が防御力を増減させることができるのです。動画の切り出しなので少し画像が荒いですが、こんな感じでプレイヤに光を当てると、その人の防御力を減少させられます。つまり観客席から、より直接的な形でひいきのチームの応援ができるようになるわけです。

Hikari Dodgeの基本システム

CdSの光センサ(例えば http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-00110/ )を使って、光が照射されているかどうかを判定します。CdSはArduino Unoにつながっており、読み取られたデータは、XBeeZB(http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-05799/) でポイント管理サーバに送信され、防御力に反映されます。これで各プレイヤにボールが当たった時、その時の防御力に応じたポイント減算が可能になります。ただ、ボールが当たったかどうかはいまのところ人力判定です。このあたりを全部パッケージにして、図のようにヘルメットに搭載しました。これでこのシステムも立派なHMDです!

Hikari Dodgeの拡張

プレイヤの多様性については、この企画の時には実現できていませんでした。将来の計画としては、回復魔法を扱えるキャラクタや、防御力増強キャラクタなどの特殊能力を実装する予定です。ポイントの初期値もプレイヤのうまさによって変える計画です。これらのシステムを組み合わせることで、プレイヤの多様性実現を狙います。

この拡張を想定して先行して試験実装した機能が、投手の認識機能です。特殊能力を実現する時には、誰が誰に投げたかを判断する必要がでてくるので、投手の認識の自動化を試みました。といってもだいぶ力業で、ボールにNFCタグ(http://www.switch-science.com/catalog/354/ )を貼り付けて、ヘルメット側にはNFCリーダ(http://www.switch-science.com/catalog/353/ )を接続します。そしてボールを投げる時に、リーダにタグを読み込ませることで、誰がボールを持っているかを認識させています。このあたりはさすがにもうちょっと改善が必要とは思っています。

今回はHikari Dodgeだけでしたが、次回以降で他の種目についても紹介していきます。

未来のスポーツ。未来はすぐそこにある、かも

以前この記事(https://media.dmm-make.com/item/1433/ )で、魔球用のボールについて紹介しました。その記事の末尾に「この分野、これから大きく動くことになると思います」なんて書いてましたが、それが現実のものとなりそうです。「超人スポーツ委員会(http://superhuman-sports.org/ )」という委員会が組織され、多くの研究者、スポーツプレイヤー、アーティストが一緒にスポーツの未来を創っていくことになったのです。思いの外動きがはやくて、ワクワクしています。

これまでの連載: いろんなものを拡張する

「続 HOJI*HOJI ~穴をほじって虫を捕まえよう~ 」いろんなものを拡張する(3)
https://media.dmm-make.com/item/1851/

HOJI*HOJI ~穴をほじって虫を捕まえよう~ いろんなものを拡張する(2)
https://media.dmm-make.com/item/1531/

魔球は未来のスポーツの必須アイテム! :いろんなものを拡張する
https://media.dmm-make.com/item/1433/

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