クジラさんモビール製作記(3)「風車は奥が深すぎた編」ぜんぜん泳がないじゃねーかの巻

クジラさんモビール製作記(3)「風車は奥が深すぎた編」ぜんぜん泳がないじゃねーかの巻

かないてつお
かないてつお (ID1773) 公認maker 2014/11/17
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https://www.youtube.com/watch?v=i7wpVeUQWDY&list=UU9J3sMvDWYfeU6QMiadcOsA

とりあえずプロトタイプ1号を製作

 さて、3D プリントのハブで風車が完成したところで、本体のフレームをレーザーカットして組み立てた。

 歯車は5ミリ厚のアクリル板から作り、ギヤ比は大きい歯車が40枚、小さいほうが12枚のおよそ3対1とした。風車が3回まわるとクジラが1回泳ぐ計算だ。
 大きな歯車に伝えられた回転は、6つのクランクのあるクランク軸に伝えられ、それぞれに糸がつながっていて、それがクジラの頭と尻尾と、胴体の4つの関節を動かす仕組み。
 話は前後するけど、風車と歯車の実証実験用に作ったプロトタイプ0号のフレームには、2本の軸の軸受けにミニ四駆のボールベアリングを使った。軸もミニ四駆と同じ2ミリ径のステンレス丸棒を使い、クランクは、そのステンレス棒をペンチで曲げて作った。
 これは、わずかな風でもからからとよく回ってくれた。 

↑クランクにつなげた6本の糸は、クジラの頭と尻尾と中間の4つの関節につながっている。

えーん、クジラが泳がないよー!

 プロトタイプ1号はクジラがちゃんと泳ぐかどうかを確かめるためのものだ。
 細かい話は割愛するが、2ミリ径の丸棒で作ったクランクでは、ヒモをつなぐときの都合が悪かった。ヒモをつなぐ部材が脇にずっこけてしまうのだ。結論として、5ミリ径のアルミ棒で作り直し、軸受けも内径5ミリのものに取り替えた。
 さて、新しいフレームにアルミ棒を折り曲げて作ったクランクを組み込み、さらに、今回初めて、厚手の画用紙をレーザーカットして作ったクジラ本体をテグスでクランクにつなげて吊り下げた。形の上では完成だ。泳いでくれるだろうか。
 ボクはそいつを持って庭に出た。風が少しあったが、びくともしない。今度は扇風機の前にかざしてみたがダメだ。
 手で風車を回してみてわかった。けっこう重い。動力源である風車の形状を真面目に考えなければならないようだ。

↑ ① クランクが下向きのときは問題ない。② クランクが上を向くとヒモの留め具が脇にずっこけてしまう。③ クランクを太くすれば途中で引っ掛かって落ちない。

水平揚力型か、水平抗力型か、垂直抗力型か

 そこでようやく風車の話になる。

 風車には、大きく分けて揚力型と抗力型がある。揚力型とは、羽根の断面が飛行機の翼と同じ形状になっていて、ベルヌーイの法則で得られる揚力で回転するもの。抗力型とは単純に風の抵抗によって羽根を回転させるものだ。
 調べれば、揚力型がもっとも効率的であることがわかる。そうだよね。風力発電に使われてるやつだから。しかし工作が非常に難しい。断面を底が平らな紡錘形にしなければならず、微妙にねじれが入る。レーザーカットでは不可能だ。羽根のような大きなものは 3D も難しい。
 一応、商品化を念頭に置いているから、製造コストや手間のことも考えなければ。となると、平らな羽根をハブに取り付けるだけの簡単な抗力型を選ぶしかない。
 本当は抗力型でも羽根を捻ったほうがいいらしいのだが、それはしない。きれいに作れないからだ。それに、最初に作ったPET樹脂の羽根は熱をかけて捻ったのだけど、時間が経つとボロボロと割れてしまった。熱で脆くなるみたいだ。

 なので、平らな羽根で、形状と枚数で調整していこうと考えた。そこで大変に参考になったのが、なんと、熊本市立松尾西小学校6年生(当時)の坂口くんを初めとするグループの『ぼくたちの学校に合う風力発電機の羽根』と題された研究レポートだった。
 そこで意外な大発見。抗力型風車の場合、羽根の角度は20度が理想ということだった。羽根の形状よりも角度が重要なのだ。そう言えば、市販の模型用プロペラの角度はどれも浅くできている。20度というのはその筋では常識だったのかも。ともあれ、坂口くんに教えられた。

『ぼくたちの学校に合う風力発電機の羽根』
http://sakura1.higo.ed.jp/edu-c/kagakuten/h20list/pdf/kou10.pdf

 さっそくハブのスリットを20度に変更してDMMに3Dプリントを発注。45度のハブに挿してあったPET樹脂の羽根を入れ替え、扇風機で回してみると、なるほど回転数が上がった気がする。しっかりと固定しないと羽根が遠心力で外れてしまう。そんなことは45度のときにはなかった。
 この新しい風車をプロトタイプ1号に組み込んだ。だが、まだ動かない。今度は、羽根を大きくしてみたり、枚数を減らしてみたりした。

↑ 角度を20度にしてハブをプリントしなおした。風車の直径は25センチ。このくらいがちょうどいいかな。

 羽根を大きく、つまり風車の直径を大きくすると、同じ風速での回転速度は遅くなるがトルク(回転の力)が大きくなる。枚数は少ない方が回転数が上がるが、多い方がトルクが大きくなる。しかし羽根を大きくすると重くなって弱い風では回らなくなる。しかも、クジラより羽根のほうが目立って面白くない。
 やはり、今ぐらいの小さくて高回転の風車にして、歯車のギヤ比でトルクを稼ぐ方向がいいだろう。つまり、歯車は一応これで完成とする。あとは、メカニズムの抵抗を徹底的に減らすことだ。マツダのスカイアクティブと同じ考え方だね。ズムズム。

 そんなわけで、メカニズム部分を見直してみたのだけど、改良すべき点が多かった。やってみなければわからないことの数々。それについては次回、お話ししたいと思います。

http://youtu.be/KFgPZqZa10o

↑試しに垂直抗力型の風車 (風速計に使われてるやつと同じ) を、わくわくさん方式で画用紙とセロテープで作ってみた。風を当てても想定どおりに回らないが、横にすると回り出した。揚力型として機能している。恐るべし、揚力型。

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