score/chart/diagram 最終回「図版を通して見る世界」

score/chart/diagram 最終回「図版を通して見る世界」

菅俊一
菅俊一 (ID113) 公認maker 2014/11/26
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この連載は、広大なインターネット上に落ちている興味深い図や表を、毎回1つのテーマに基いて紹介することで、その魅力の正体を探っていく試みである。

今回でこの連載は最終回となるため、元々予定していた様々な興味深い図版の一部を、今回はまとめて紹介し、図版という表現手法が持っている魅力を少しでも感じてもらうことで、この連載の締めくくりとしたい。

構造化するとよく分かる

一見複雑に見える様々な状況も、図解して構造として捉えることで、簡単に理解することができるようになる。

Wikipedia シークヮーサー

出典- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%AE%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BC

様々な文章で「シークヮーサー」が表記される際に長音や拗音の表記にバラつきがあるパターンを図示したもの。どの部分にどのようなバラつきが発生しているのかが、一目見て分かるよう構造化されている。

love all this

出典- http://loveallthis.tumblr.com/post/166124704

ビートルズの「ヘイ・ジュード」の歌詞について、その繰り返し構造等を図示したもの。1番と2番でどのように歌詞が変化しているのか等、普段聞いている時には意識したことが無い歌詞自体の構造を把握することができる。

レイアウトの技法

レイアウトという、要素をどのように配置すれば意味を生み出すことができるのかという考え方は、グラフィックデザインの分野だけの話ではないということを教えてくれる図版。

XII. Review Lesson From " Table Service," by Lucy G. Allen.

出典- http://chestofbooks.com/food/science/Food-Study/XII-Review-Lesson.html#.VEcRGIusWgY

テーブルの上に、どのように食器を配置すべきかということについて示された図版。インターネットには、このような、遥か昔に絶版になってしまったが、今参照すると非常に興味深い示唆が得られる図版を発見することができる。

迷路の誘惑

実は、インターネット上には「迷路」の画像が無数にアップロードされている。イラストに入り込んだ子供向けの迷路から、子供にはちょっと解くのは難しい細かく膨大な迷路まで、その幅は広い。

Justin Pombrio Penrose Mazes

出典- http://justinpombrio.net/show/penrose-maze/

ペンローズ・タイルというパターンを利用した迷路。通常の直線で構成された迷路に比べ、意識して現在地を見続けていないと、すぐに居場所を見失ってしまうため難易度が格段に上がっている。

Hardest Mazes In The World.

出典- http://becuo.com/hardest-mazes-in-the-world

世界の誰かが膨大な時間を投入して描いた迷路も、インターネットには大量にアップロードされている。計画して描くのではなく、その都度探りながら詰め込んでいって描かれた様が筆致に現れている。

独創性と奇異

迷路と並んで膨大にアップロードされているのは、特許図面だ。特許図面とは、特許として申請する新しいアイデアを、審査官をはじめとした多くの人たちに伝えるための重要なコミュニケーションツールだ。このアイデアの塊である図面たちは、眺めているだけで刺激的だ。

Popular Mechanics "Device for the Quick and Easy Use of a Small Cellular Telephone"

出典- http://www.popularmechanics.com/technology/engineering/gonzo/ridiculous-patents-from-the-last-twenty-years

いわゆる「仕込みガラケー」の特許図面。どのように動くか、その特徴や機構(メインアイデア)を言葉で説明されなくても一発で想像できるのが、こういった図面の大きな特徴だ。

図版を見るというのは、描いた人の思いを読み取っているということ

さて、ここまで様々な種類の図版をまとめて紹介してきたが、そもそも図とは何のために存在しているのだろう。
私達は、言葉で説明出来ないことや言葉で説明するには分かりにくい複雑なことを伝えたい時に図を描く。図を描くのは、言葉のように文字を書いたりキーボードを打てば簡単にできるようなものではない。特別な道具や技術が多少必要になる、言ってみればとても「めんどくさい」ものだ。
しかし、私達はそんなめんどくささを乗り越えて図を描く。たとえ拙い技術しか持っていなかったとしても、アイデアを、思いを、ルールを、機構を、技術を、何とか目の前のもしくは名前も知らない世界の誰かに理解してもらうために、私達は図を描き続けている。

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