「パーソナルVRの急先鋒、Oculus Riftとは?」パーソナルVRと走る(1)

「パーソナルVRの急先鋒、Oculus Riftとは?」パーソナルVRと走る(1)

Needle
Needle (ID127) 公認maker 2014/04/24
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Facebookが買収した「Oculus Rift」とは何なのか、なぜ注目をあつめているのか、その魅力や使い道を解説・紹介します。

DMM.makeをご覧の皆さん、初めまして!Needleと申します。この連載では現在急速に発展しているバーチャルリアリティ(VR)技術、特に個人でも扱えるパーソナルVRやそのコンテンツに関する情報や動向などを皆様にお届けしていきたいと思っています。

「VR」とは、大雑把に言うと、コンピュータの中に作られた世界に入り込む技術の事を言います。(「AR」とは親戚ですが、似て非なる概念です。)アニメや漫画が好きな人なら「ソードアート・オンライン」「.hack」「攻殻機動隊」、SF小説を読む人なら「ニューロマンサー」「スノウ・クラッシュ」に出てくるような技術、というと分かりやすいかもしれません。

VRは概念としては60-70年代から存在し、また90年代頃にもVR技術が注目を集めた時期がありました。その後も学術界・産業界での研究は続いているものの、個人向けな、つまりパーソナルな技術としては、ここ十年程それほど大きな動きは見られませんでした。そこに変化が見られ始めたのが最近の状況です。

現在パーソナルVR技術の代表格とされ、開発者の熱い視線を浴びているのが、米Oculus VR社が開発しているVR用ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、「Oculus Rift(オキュラス・リフト)」です。最近では、開発元のOculus VR社は先日20億ドルという破格の値段でFacebookに買収され、また新型開発キットの発売の際、日本からの注文を優先して出荷すると発表した事でも話題になりました。

Oculus Riftの画像 (写真:Sebastian Stabinger/CC-BY)

Oculus Riftは従来のHMDとどこが違う?

これまでもHMDは多数出ては消えを繰り返してきた中で、何故Oculus Riftがここまで注目されるのか?Oculusが従来のHMDと異なる点を見ていきましょう。

対角110度という広い視野、両眼視差を利用した3D表示

HMDをかぶったことがない人は、「頭にかぶると突如目の前一杯に別世界が広がる」…といったSFによくある描写を想像されるかもしれません。が、実は多くのHMDではそうはなりません。むしろ今までの民生HMDは「辺り一面真っ暗な中で、視界の中央にだけ、小さく映像が写っている」という体験しか得られず、かぶってガッカリするものが大半でした。これには、視界の中で映像が見える範囲の広さを表す「視野角(FOV)」という値が関係しています。従来の多くのHMDは、この視野角が広くても対角52度程度に留まっていました。

そんな中で、Oculus Riftは対角110度という段違いに広い視野角と、左右の目に異なる映像を見せられる3D映像表示機能を持って登場しました。つまり、「突如目の前一杯に別世界が広がる」という体験が実際に出来るようになったという事です!

高速なヘッドトラッキング

「視野一杯に広がる3D映像」なら、大きな映画館で観るIMAXの映画もそうだとも言えます。しかし、映画館で真横を向いても、映画の世界で横方向にあるものが見える訳ではなく、隣の席のポップコーンが見えるだけです。本当に架空の世界の中に入り込んだように思えるためには、どこを見ても世界の中で見えるべきものが見えなければいけません。

Oculus Riftには、頭の姿勢の検知(ヘッドトラッキング)を行うため、加速度・ジャイロ・地磁気といったセンサ類が搭載されています。これを活用することで、右に首を向けたらVR空間内の右が、左を向けば左が見えるといったように、自分の頭の動きと視界が連動するようになり、どこを見ても見えるべきものが見えるというリアリティのある体験が可能となります。

350ドル程度という低価格

これらを全て備えたHMDは今まで全く存在しなかった訳ではありませんでしたが、数十万円から数百万円など非常に高価で、個人が気軽に買えるものではありませんでした。その一方、スマートフォン・タブレット業界の熾烈な技術競争により、液晶やセンサといった部品は高性能・低価格化が進んできていました。Oculus Riftはでこの低価格化した部品を上手く活用することで、300〜350米ドル(3万〜3万5千円程度)という一般の手に届く価格を実現しています。

この組み合わせにより、これまでにない圧倒的な没入感が安価に体験できるというのが、注目を集めている理由と言えます。この没入感がどういった感覚なのか。しいて言えば「まるで自分が本当にそこにいるかのように錯覚する」、もっとくだいて言えば「俺の嫁が!俺の目の前に!」といった感じですが、こればかりはいくら文字で説明しても、実際に体験しないことには理解できません(いきなり解説放棄orz)。

https://www.youtube.com/watch?v=GoQ0OXJCbaE

人によってはここまで入り込んでしまう事も。

これで気になった人は今すぐ手に入れてVR空間に没入せよ!…と言いたいところなのですが、実は現在2014年4月はOculus Riftの旧機種と新機種のちょうど谷間の時期にあたります。旧機種は既に販売終了、新機種は公式サイトから注文しても7月まで届かないという、体験したくても体験が困難という状態です…。ではOculusを体験できる場は無いのかというと、実はあります。

入手困難なRiftを今すぐ体験するには

幕張メッセで4月26日〜27日に開催されるニコニコ超会議3。まさに開催直前ですが、このイベントにおいて、Oculus Riftを使ったVRコンテンツが、企業発のもの・個人発のものも含めて多数展示される予定です。

冒頭で書いたとおり、Oculus社は先日、新型開発キットの発送を日本優先で行うと発表しました。その背景には販売台数や物流の都合等もありますが、大きな理由の一つとして挙げられたのは「日本の開発者がユニークな使い方をしている」というものです。

出荷を優先されるほどにユニークな使い方とはどんなものか?その中身は、次回見ていきましょう。

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