3Dプリンタによる微細構造が生み出す“しなやかさ”を用いたテキスタイルデザイン

3Dプリンタによる微細構造が生み出す“しなやかさ”を用いたテキスタイルデザイン

プロジェクトの概要

このプロジェクトでは、3Dプリンタによって微細な構造(上記写真参照)を出力することで、
堅い素材からでも多様な”しなやかさ”(弾性特性)を生み出す基礎技術を応用し、
”かたさ”と”しなやかさ”の両方をもつテキスタイルを実現しプロダクトデザインに応用する。

プロジェクトの背景

現在、既にMichael SchmidtとFrancis Bitoniのドレスに始まり、Nervous SystemやIris Van Heppen等のクリエイターによって3Dプリンタを用いた服が提案されている。

これらのほとんどは、展示やパフォーマンス用として用いられ、服としても堅いヒンジ(蝶番)構造による鎖を連結したような服となっている。

我々のプロジェクトでは、上に挙げたようなヒンジ構造ではなく、微細構造によって生まれる弾力やしなやかさを用いてテキスタイルや服の製作を行う。
前述の写真のような微細構造を3Dプリントすることで微小な変形を構造全体に発生させ、堅い素材からでも構造全体としてやわらかさを生み出す事ができる。

目的

前述の構造をテキスタイルに用いることで、従来の布に無い、柔らかな感触を生み出すことが可能になる。

既存のヒンジ構造による服では、服の形状保持と稼働性を両立することは不可能であったが、ここで提案する構造を用いれば弾力をもちいて形状を保持しつつ、稼働部には必要となるしなやかさを持たせることができる。

さらにモデリングしたプリントパーツを布と縫製することで、これまで3Dプリントされたファッションに欠けていた実用性と3Dプリントの自由なデザインを両立するファッションプロダクトの製作を行う。

プロジェクトの進め方

3DプリントパーツはRhinocerosのプラグインであるGrasshopperでモデリングを行う。

通常、服は型紙を用いて縫製されて形づくられるが、型紙から起こした3DデータにGrasshopperのビジュアルプログラミングを用いてパターン化された立体データを作成する。

また、本プロジェクトでは大嶋が大学の研究機関で行っている最先端の研究をデザイナーの小野と共同で制作することですることで、テキスタイルデザインに応用するという共同体制をとる。

現在のプロジェクトの進行状況

1)昨年に全て3Dプリントしたヒンジ構造で作られた衣服をDMMのプリントサービスで制作し、Grasshopperのパターンの立体化を試みた。
全てを3Dプリントで制作することは無理を感じたため、より実用的な衣服の制作を開始した。

上記写真はその時プリントしたもの。

2)より実用的な衣服の提案を目指して今年の初めから、株式会社バンダースナッチ様と布と3Dプリント素材を組み合わせた衣服の試作を始めた。
縫製方法が通常の布地とは異なるため、ここでは縫製と3Dプリント部品をきれいに接合するための試作を通して縫製方法の試作を行い、上記写真にあるような検討を行う。

3)ヒンジ構造では形状を保持したまま服とつなげることが困難だと感じたため、前述のようなパターンを制作を始めた。

4)上記写真にあるような構造を用いることで、堅さを備えながらも身体にフィットする構造の試作を行い、今回の制作に生かすつもりで進めている。
(写真はパターンの立体化の検証用に試作したもの)

プロジェクトの最終ゴール

・微細構造を用いたテキスタイルプロダクトを実現する。
服に限らず、人間の身体に直接触れるものとしてのテキスタイルを微細構造によって実現される弾性特性を用いて実現する。

・より実用に近づいた、3Dプリントパーツを使用するプロダクト製作を目指す。
大量生産品にはない、実験的な素材やデザインを受け入れやすい背景を持つファッションの分野で制作を行っている。
今回の衣服を制作することで、3Dプリントのパーツの実用性高めると共に、一般の人に受けいられるような3Dプリントプロダクトを提案する。

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