「機械の手」を作りたい[4.1](まとめ) クラッチ機構

「機械の手」を作りたい[4.1](まとめ) クラッチ機構

kazusiba
kazusiba (ID1085) 2015/06/22
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お久しぶりです。
本当は今回が第5回ですが、指はまだ製作中なので、
4.1回ということで、「機械の手」のメインである「クラッチ機構」をもう一度詳しく紹介したいと思います。

問題点

最近、チャッピーなどのロボットが登場する映画や、DARPAロボティクスチャレンジようなコンテストなど、徐々にロボットが社会に登場する事が現実視されつつあります。

しかし、まだまだそれに疑問を感じざるをえない状況なのは、この映画とコンテストに登場するロボットの違いが原因です。片や人間と同等、またはそれ以上の可動力を見せ、もう片方は現状では使い物になりません。


ロボットを人間の世界で使うには、もう少し発展が必要です。
このシリーズでは、「手」を作るという形でその解決策を探っています。

まず既存のロボットハンドの問題点は、

・自由度が低い(細かく動かない)こと
・力が弱いこと
・サイズが大きいこと
・高価なこと


これらが挙げられます。どれかが解決すると、どれかが悪化するという事態です。

それをどのように解決していくのかを考えました。
問題の原因はいくつか考えられるのですが、私が最も大きな原因として考えたのが「動力源」です。

問題の解決

パッと思いつく従来のロボットハンドの動力は大きく分けて2つ、

・サーボモーターまたはDCモーターを用いて、そのまま動力を伝える
・人工筋肉を用いての動作

https://youtu.be/_qUPnnROxvY

1つ目の「モーターを直接繋ぐ」は限られた空間に大量に動力を搭載する事はできませんが、一つの指に対しての動力が大きいので、比較的大きな力を出す事ができます

(上の動画では、1つの指に対して1つのモーター)

https://youtu.be/ZNjbyCWt93k

2つ目の「人工筋肉を用いる(上の動画は空圧式)」は、動力を伝えるパイプを増やせば幾らでも自由度は増やせますが、問題は空気圧を作り出すコンプレッサーを用意しなければいけないという事です。



この2つの動力伝達方法には、利点と欠点がそれぞれあります。
これをどうにかして1つにまとめられないかと考えました。
より人間に近い「手」を作るには、ある程度大きな力が出せて自由度が高く、そしてコンパクトである必要があります。要は全部のせです(笑)


そしてたどり着いたアイデアが、車の「クラッチ」に似た機構を取り入れた考え方です。

クラッチとはご存知の通り、エンジンの負担軽減の為に動力と車軸を接触させたり離したりする車の機構です。(詳しくはwikiを。。。)

クラッチ機構

下の動画が、今回考えたアイデアを簡単に紹介したものです。

<iframe src="https://player.vimeo.com/video/131359527" width="500" height="281" frameborder="0" webkitallowfullscreen mozallowfullscreen allowfullscreen></iframe>

中心の大歯車に、力の強い(大型の)モーターを繋いで(動画中にはありません)、そこから周囲6つのユニットにそれぞれ入っている小歯車に動力を(クラッチ機構を用いて)分配してやろうという作戦です。

クラッチ内部にはナットが入っているので、回転するとボルトが上下します。この動力をワイヤーで各関節へ送ります。

クラッチの動作には当初、電磁ソレノイドを用いようと思っていましたが、あまりにもスペースが限られている為、とりあえずは電圧をかけると収縮する人工筋肉を用いようと考えています。


つまり、一言でこの動作を表すと、「常に全ての指が力を使ってはいないのだから、その余った力を他に回す(リサイクルする)」ということです。

重機の油圧に似ています。


数えた限りでは、人間の手を再現しようとすると(手首の動作を含めて)最低18個の動力が必要ということになりました。

このユニットを腕の中に縦に3つ並べて(かなりキツい)配置(合計6×3個)し、一番下に動力源のモーターを1つ配置する予定です。

力を自由に調節する方法や、曲げ角の検知方法なども考えてあるので、また説明します。

考えられる未来


一つ目[ロボットがスリムになる]
このアイデアが用いられるのは手だけではありません。
動く場所ならどこでも使う事ができます。

この機構を胸の部分に搭載したならば、ほとんど全ての部分にワイヤーで力を伝達できます。

従来モーターを搭載していた場所に自転車のブレーキの如く動力を伝達するので、単純に機構が小さくなります。

胸部分に動力を集中させると良くなるのは見た目だけではありません。

手や足などのモーターが無くなり身体の中心に動力が集まる事で重心が安定し、より制御が楽になる事が想像できます。


二つ目[より細かく動作する事ができる]
ある大学の教授曰く、現在のロボットハンドでは「落ちている消しゴムを掴むのさえ至難の技」なのだそう。
これが、自由度を極限まで高め、細かい動作をさせる事ができる手を用いるとどうでしょうか?

もちろん制御は難しいです。しかしやり方によっては、掴める可能性は格段に上がると思われます。


三つ目[ロボット研究の速度向上]
今のロボット研究はそれぞれの研究機関がそれぞれにロボットを作り、中のプログラムも考えています。つまりバラバラです。
もちろん、その中には構造設計が得意な人やアルゴリズム構築が得意な人など、様々に得意分野があります。

将来、この動力に(レゴのように)色々なアタッチメント部品を取り付けられるようになれば、無駄な部分に時間を使う必要はありません。
開発者は、プログラミングやその他機構の研究に没頭できるのです。
新しい部品を思いついたら3Dプリントです。そしてオープンソースで全世界に共有できます。

これで、みんな幸せ。ということです。




簡単な構造ですが、ちょっと考えてみるととても便利そうに思えてきませんか?

まだ、物がないので説得力がないですが、すぐに試作品は完成させます。
その時は、また細かい説明を!

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