どうぐばこ#1「3Dスキャナー編」

どうぐばこ#1「3Dスキャナー編」

DMM.make AKIBA
DMM.make AKIBA (ID4043) 公認maker 2016/07/27
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DMM.make AKIBAの『どうぐばこ』。

DMM.make AKIBAの10階にある「Studio」には、ハードウェア開発・試作に必要な最新の機材が揃っています。このコーナーでは、プロトタイピングを加速させる本格的なツールについて紹介をしていきます。(文・杉山周二)

プロトタイピングや3Dプリントを格段にスムーズにする「3Dスキャナ」

実物から3Dデータを作成しデジタル化する「リバース・エンジニアリング」を実現する機材です。元となるモノをスキャンしてデータ化できるため、いちからデータを作らなくてよいというメリットがあり、リデザインやリバース・デザインを容易にするほか、デジタルライブラリーの構築などにも活用できます。製品設計データ取得のほか、三次元測定、寸法・幾何公差の検査にも有用です。

ここでは、3Dスキャナの活用事例を絡めながら、DMM.make AKIBAに取り揃えられた各種スキャナーの機能・特徴などについてを紹介していきます。

3Dスキャナーの活用事例

【壊れたものを修復する】
上記写真は、ゲーム機の電池カバーを修復したものです。ツメが折れてしまったカバーをスキャンし、ツメのデータを合体させて3Dプリンタで出力。特に「廃番になってしまった家電製品のパーツ」を修復する場合などに絶大な効力を発揮します。

【スキャンしたデータを元に自在に変形できる】
参考にしたい形のモノをスキャンして、ソフト上で拡大・縮小など自在に形を変えることも可能です。手元に実物があり、形は理想的だけどサイズが目的に合わない場合は、3Dスキャナーを活用するとモデリングの手間を大幅に省くことができます。


3Dスキャナー各種の紹介

●日本電産トーソク(株)製 RVL6540-LH
据置きタイプ。レーザー光切断方式(※)。
http://www.nidec-tosok.co.jp/products/3d/index.html

Point Distance(※)±0.02mm、と最も高精細なデータを取得できます。測定領域は、「Φ170、高さ40mm」「Φ140、高さ110mm」「Φ200、高さ150mm (LHタイプ)」の三種類の円筒に収まる範囲。DMM.make AKIBAにある3Dスキャナーの中で、唯一のレーザー光切断方式のタイプです。

【AKIBAスタッフのおすすめポイント】
・最も精密なスキャンができる。
・全自動でスキャン可能。
・筐体の制限はあるものの、密閉式のため環境光の影響を受けず、安定した結果が得られる。
・小さく精密な部品のスキャンに最適。

※レーザー光切断方式=スリットレーザー光で対象物をスキャンしてその反射光をCCDで受光し、三角測距の原理で対象物との距離情報を得て3次元形状を取得する方式。古典的な方式だが、コストパフォーマンスが良い。表面が凹凸になる傾向があるが、明るい場所でスキャンできる。
※Point Distance=スキャンする基準となる点と点の間の距離。この数値が低いほど細やかなスキャンができる


●Solutionix社製 Rexcan3
据置きタイプ。光投影方式(※)。
http://www.3d-solution.jp/products/3d_scanner/rexcan/000379.php

Point Distanceは0.04~0.48mm、測定領域は45~912mm、とAFINIA ES360に比べて一段階上のスペック。AFINIAよりも若干手間がかかりますが、より高精細な3Dデータを取得することができます。

【AKIBAスタッフのおすすめポイント】
・精密なスキャンができる。
・筐体制限がないため、比較的大きいモノ(Z方向に140mm程度など)をスキャンできる。
・ソフトが優秀でデータのマージが簡単におこなえる。

※光投影方式=縞パターンを投影して計測する方式。高速・高性能なスキャンが可能で、スキャン面は滑らかなのが特徴。比較的暗所での作業が必要となる。

●AFINIA社製 AFINIA ES360
据置きタイプ。光投影方式。
http://afinia.com/3d-scanners/es360-desktop-3d-scanner/

Point Distanceは0.17mm~0.2mmの間で選択できます。測定領域は215x215x200mm (自動スキャン時)。光投影法を採用した、価格のわりに高性能かつ扱い方が比較的カンタンな3Dスキャナーです。

【AKIBAスタッフのおすすめポイント】
・据置きタイプ髄一の操作性。
・自動スキャン時は、ボタン一発でスキャンが可能。
・手動スキャン時は、700mm四方と広範なスキャンが可能。

●3DSYSTEMS社製 Sense
ハンディタイプ。光投影方式。
http://www.synnexinfotec.co.jp/lifestyle/hobby/3dpri/entry/overview_sense.html

50cmあたりの分解能は、X/Y方向で0.9mm、Z方向で1mmとエントリーレベルの精度ですが、補なって余りある魅力があります。50cmあたりの分解能は、X/Y方向で0.9mm、Z方向で1mmとエントリーレベルの精度。しかし、補なって余りある魅力があります。
まず大きなものから小さなもの(20cm四方~最大3m四方)までスキャンできること。またカラーデータ(解像度1920×1080pixelのカラーテクスチャマッピング)が取得可能です。

【AKIBAスタッフのおすすめポイント】
・ソフトの操作が簡単で、初心者でも導入しやすい。
・人物やバイクなど大きなものまでスキャンできる。
・人物を全身スキャンしてフルカラー3Dプリントするなどの用途向き。

据え置きタイプ3機種のスキャン結果比較

(写真上)左から 青=AFINIA ES360、緑=Rexcan3、黄=RVL6540-LH でスキャンしたもの。
(写真下)肋骨や下顎など、奥まった部位や凹凸が少ない部位の比較。
青→緑→黄と右に進むにつれ、スキャン精度が高精細になっている。

上記写真は、それぞれのスキャナーで撮った3Dスキャンデータを同じ条件で3Dプリントした結果です。恐竜の歯~下顎の形状や、アバラ骨の形状が右に行くにしたがって精細に再現されています。各スキャナーの設定次第で精度も変わってくるため一様に性能比較できないですが、ご参考までに……。

※各スキャナーの取扱説明書に従って、極力差異が生まれない状況下でスキャンしています。
※より細かいピッチで出力できる3Dプリンタを使用すると、さらに違いが明確になります。

3Dスキャン体験ワークショップも定期的に開催

ひとくちに3Dスキャナーといっても、そのタイプや特徴はさまざま。高精細なデータが必要なのか、粗めのデータでスピーディにスキャンしたいのか、など目的に応じて設定調整や使い分けが必要になってきます。

なんだか難しそう……と思ってもご安心を! 3Dスキャナーを熟知したDMM.make AKIBAのテックスタッフが、目的に応じたお手伝いをさせて頂きます。また、3Dスキャナーの体験ワークショップも定期開催中です(詳細は下記ご参照ください)。

プロトタイピングや3Dプリントをより快適に、より身近にする道具たち。3Dスキャナーに少しでも興味を持ったら、ぜひ一度DMM.make AKIBAへお越しください!
⇒DMM.make AKIBA見学ツアーのお申し込みはこちら!

DMM.make AKIBAでは、上記3Dスキャナーをタイプ別にとことん体験できるワークショップを定期開催しています。ぜひご参加ください。

ワークショップ詳細情報・申し込みはこちら
「とことん3Dスキャン体験」
日程:2016年8月10日(水)19:00-22:00
会場:DMM.make AKIBA 10F Studio
http://dmmmake1608scan.peatix.com

(編集・境 理恵)

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