アルコールを速攻で分解して酔わない方法(案)[融合蛋白質のPDBモデルの作製方法]

アルコールを速攻で分解して酔わない方法(案)[融合蛋白質のPDBモデルの作製方法]

山椒魚
山椒魚 (ID3679) 2016/07/31
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お酒で酔いたくない。。。。そんな時は。。。。。?

 勢いに任せて書いてみた


 お酒を飲むと酔ったり二日酔いになったり悪酔いしたり、気分が悪くなったりします。

 そんなとき、体内ではアルコールから生成された、毒性の強いアルデヒドが悪さをしていると言われています。

 代謝経路としては、

 エタノール
  ↓
(アルコールデヒドロゲナーゼ(酵素))
  ↓
 アセトアルデヒド
  ↓
 (アルデヒドデヒドロゲナーゼ(酵素))
  ↓
 酢酸

以上のような経路で、アルコールはアセトアルデヒドを経由して酢酸になって、体内で分解されます。

 

 

では、どうやってアルコールの分解を加速させるか。

1, 体内のアルコールデヒドロゲナーゼ、アルデヒドデヒドロゲナーゼの量を増やす。

2, アルコールデヒドロゲナーゼから生成されたアルデヒドをアルデヒドデヒドロゲナーゼへ受け渡す速度を加速させる。

 このふたつが考えられます。
 
 1、2の両方を同時に行いたい。

 ならば、受け渡し速度の速い酵素を体内で増やせばいい。

 有毒なアルデヒドを速やかにアルデヒドデヒドロゲナーゼに受け渡せばアルデヒドは体に作用せず酢酸まで分解されると考えられる。(下図)

ならば、酵素間の距離を数十 nm(ナノメートル)まで近づけてしまえばいい。
こうすることで、酵素の実効的な濃度(局所濃度)が上昇して、代謝速度が上がります。

どうつくりましょう? 

酵素同士の距離を近づける方法→融合タンパク質

 今回の場合、アルコールデヒドロゲナーゼとアルデヒドデヒドロゲナーゼの距離を近づけるとアルデヒドの分解速度が向上すると考えられます。

 そこで、酵素同士の距離を近づけたい。

 一般的に、酵素同士の距離を近づけるには、遺伝子工学的に、2つの蛋白質の間にリンカート呼ばれるアミノ酸を数残基挿入した後、まとめて1つの蛋白質として発現させます。
(参考:Wiki 融合タンパク質。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%9E%8D%E5%90%88%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%AF%E8%B3%AA
 

まずは、融合タンパク質の設計。モデル作製

構造データのダウンロードと結合

酵素(蛋白質)の3次元的な構造データは、PDBという形式が用いられています。今回は下記の蛋白質データをRCSBのPDBデータバンクからダウンロードして使いました。

・アルコールデヒドロゲナーゼ
 PDBID: 5KJF

・アルデヒドデヒドロゲナーゼ
 PDBID: 4QGS


落としてきたら、それぞれのモノマーをメモ帳にはりつけます。
今回は、4QGSをはりつけたら、その後に、5KJFを貼り付けました。

そしたら、Discovery studio上でタンパクモデルをうまいこと移動させて、下の画像のように4qGsのC末端と5kjfのN末端を近づけます。

 そしたらPDB形式で保存して、メモ帳で開きます。

(ファイル名:superclose)

※投稿されたファイルについて、当社は一切責任を負いません。
DMM.make利用規約に同意の上、自己の責任でダウンロードしてください。

メモ帳上での処理

DiscoveryStudio上で2つの蛋白質を近づけたら、メモ帳のTERからMODEL2の部分を削除します。
この部分が1個目の蛋白質(アルコールデヒドロゲナーゼ)と2個目の蛋白質(アルデヒドデヒドロゲナーゼ)の境界部分を指定しているので、1つの蛋白質モデルとしてソフトに認識させるために消します。

境界部分を消しただけではまだ不十分で、2個めの蛋白質が「 B 」で指定されている限り2個の蛋白質データとして認識されるため、ChainBの部分をAと書き換えます。
 というわけで、メモ帳のChainBを指定している「 B 」を「 A 」で置き換えて、メモ帳内にChainAの分子が一個しか存在しない状態にします。

置き換え後、下の画像のように「 B 」の部分が「 A 」に置き換わっていればOKです。

構造データへのリンカーの挿入

 実際に蛋白質を製造する際には、蛋白質の間にリンカーのアミノ酸配列を追加する必要があると予想されるので、3Dモデル上でもリンカーを挿入します。

 今回は、先ほどのモデルをFolditのStandaloneVersionで処理します。

 先ほどのモデルを開きます。

 そうすると、アルコールデヒドロゲナーゼとアルデヒドデヒドロゲナーゼの境界にある380番めのARG(アルギニン)のところを無理やりつなげているので、ひしゃげているのがみえます。(干渉している部分は赤くなったりイガイガが表示されます。)

 今回は、380 ARGと381番目のアミノ酸を、Ctrlを押しながらクリックして2つ選択した後、
 Iキーをおして出てきたウィンドウのシークバーを5に合わせて実行することで、5残基のアラニンリンカーを挿入しました。下画像

 構造エラーを軽視してリンカーを挿入したため、イガイガがたくさん出てますね。

 そんな時は白い部分(新しく追加した部分)をダブルクリックして、Oキーを押してランダム最適化をかけて、適当なタイミングで止めてそこそこに安定な状態まで持って行きます。
 下がランダム最適化中の様子です。

そんなこんなで完成した、アルデヒドを速攻で分解して悪酔いなどを防ぐための酵素のPDBモデルです。

完成したPDBデータは下からダウンロードできます。

※投稿されたファイルについて、当社は一切責任を負いません。
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蛋白質の設計も終わったところで。。。。

 さて、今回考えた蛋白質の設計も終わったところで、実際に人体の中で使うことを考えてみる。

 今回考えた悪酔い抑制酵素(アルデヒドを速攻で分解するための酵素)を経口摂取すれば悪酔いを防止できる!!!と考えた人。
 無理です。酵素は消化器系で速やかに分解されます。

 血液に注射?あー、、、、まぁ、短時間ぐらいは持つだろうから、血中のプロテアーゼ(どのぐらいあるんだろ?)に分解されなければ良さそう。

 ただ、大事なことがあって、今回考えた酵素は遺伝子組み換え酵素です。
 遺伝子組み換え食物とか医薬品とか、認証厳しそうですでね。通るんでしょうか。

 作るとしても、遺伝子組み換え生物(大腸菌)を培養する環境の設備とかが必要です。バイオハザードな検体を扱う環境を整備する必要があります。一回数mg使うとして、その製造に数千円~数万円とか掛かりそうな気がします。

 ぶっちゃけていうと、人体に投与するにはいろいろと臨床試験とか治験とかに膨大な時間とコストがかかるから、そんなことせずにウコンのドリンクでも飲んでおいたほうがコスパいいです。
 (倫理とか無視するなら、アルデヒドデヒドロゲナーゼ-アルデヒドデヒドロゲナーゼ融合タンパク質を体内で生成するための遺伝子をウイルス使って人体に組み込んで、人体で融合タンパク質を生成させる方法とかあったりしそうだけど。ダメ。絶対。)



 というわけで

結論

 アルコールデヒドロゲナーゼーアルデヒドデヒドロゲナーゼ融合タンパク質を悪酔い防止のため製造して、人体に投与するのは非常にコストがかかる。(安全の確認とかを除いても)

 既存の悪酔い防止飲料(ウコンなあれとか)で十分安価に対処できると考えられる。

 

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