ものづくり#1「基板実装100本ノック!~基板実装の基礎を学ぶ~」

ものづくり#1「基板実装100本ノック!~基板実装の基礎を学ぶ~」

DMM.make AKIBA
DMM.make AKIBA (ID4043) 公認maker 2016/08/31
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DMM.make AKIBAで『ものづくり』

DMM.make AKIBAでは、幅広い『モノの作り方』を学び、本格的なモノづくりへの第一歩を踏み出すための様々なワークショップを開催しています。このコーナーでは、「本格的なモノづくり」を体験できるAKIBAのワークショップの様子をご紹介していきます。(文・杉山周二)

「基板の実装を自己流でやってきたけど・・・他の人のやり方を含めて、正しい手法をイチから学んでみたい。」「基板の設計も自己流で進めてきたけど、プロの技術を学んでみたい。」そうしたDMM.make AKIBA会員の声から生まれたワークショップ、それが『基板実装100本ノック!』だ。

ワークショップの開催にあたって、DMM.make AKIBAとタッグを組み、強力にサポートしていただいたのは基板設計のプロである株式会社キョウデン(以下、キョウデン)。
彼らと一緒に目指したのは、『スタートアップにとって本当に必要となる知識と経験』だ。
つまり、このワークショップを通して『基板設計のプロの知見・技術を学び、スタートアップが部品調達~基板設計~実装までを外注する際に気をつけるべき"勘どころ"を身につけられる』ことを目指したのである。

株式会社キョウデン
プリント基板の設計・製造。あらゆる部品の調達、高密度・高精度実装。安全性の高いメカ部品の設計・製造。ユニット製造と組立てまでを一貫して担うプロ集団。
ちなみに社名の由来は『今日から電気屋=キョウデン』という嘘のような本当の話。
http://www.kyoden.co.jp/

当日ワークショップ参加者の手元に配られた教材や道具。中央にあるのが、キョウデン門外不出の『技能検定用基板』(のちに詳細記載)

はんだ付けの基礎の座学と、プロによるデモ

まず、「はんだはどういう原理でくっついているのか」という基本中の基本の説明にはじまり、綺麗なフィレット(富士山型)に代表される「良いはんだ付け」と、イモはんだに代表される「悪いはんだ付け」の実例が紹介された。その後、キョウデンのプロによる手実装の実演が始まった。

はんだ付けに使う、はんだごてとはんだと部品。その3つを同時に持つことは当然出来ない。
(手実装の現場においてはよく「手がもう一本あれば.....」などという冗談が交わされる)
そのために、手さばきの良いはんだ付けは以下の手順で行われる。

①基板に予備はんだをつける。
②部品を掴んだピンセット、はんだごてを片手ずつ持ち、基板にピンセットで掴んだ部品をあてがう。
③はんだごてで予備はんだを溶かし、部品を搭載。
・・・しかしこの時点では部品の片側をはんだ付けしただけの『仮固定』だ。
④最後にまだ取り付けられていない部品の反対側を、はんだごてとはんだを片手ずつ持ち、はんだ付け。これでようやく『本固定』となる。

以上の工程を、基本姿勢を保ちながら、手際よく進めていく。各工程の随所に、現場のプロの技が光る!

配置したい箇所近くに部品を正の方向で仮置きし、ひじや手首を机にしっかり付け、ひじを起点に最小限の動作で部品を搭載していく。
基本姿勢を保ち、一本一本を外さない。さしずめ基板手実装界のイチロー!

これが『実装100本ノック』の正体だ!

難易度の低いものから、難易度の高いものまで一枚に収められた、キョウデン門外不出の『技能検定用基板』。その一部を紹介しよう。

【レベル1.リードタイプの部品実装】(写真 赤部分)
手付けはんだを想定している部品で腕鳴らし。比較的一般的に知られている手実装難易度の低いもの。

【レベル2.表面実装タイプの部品実装】(写真 黄部分)
かなり微細な作業を要する表面実装エリア。1608(1.6mm x 0.8mmの部品)から0603(0.6mm x 0.3mm)まで、大小さまざまな試練が待ち受ける。

【レベル3.QFPパッケージ(176PIN 0.5mm)の部品実装】(写真 青部分)
マイコンチップや各種モジュールなどを搭載する箇所。足の本数が多く、複数箇所を一気にはんだ付けする作業が伴う、最高難易度のエリア。部品の対角2箇所を仮固定して、『流し付け』で攻略しろ!

レベル1.~3.までを黙々と手実装し、さらには終了後にプロによる厳しい採点が下される。
これが『基板実装100本ノック』だ!!!!!!

レベル2.の微細な部品の手実装にルーペを使わずに肉眼で挑戦する参加者の方

プロの手ほどきを受けつつ『100本ノック』に打ち込む参加者の皆さん。
その表情は真剣そのもの。あえなく時間切れとなり、『もっと手実装していたかった』との声も。

メタルマスクを用いた手印刷・ピンセットでの部品搭載

『100本ノック』の実施と採点による厳しい手ほどきを受けた後は、ふたたびプロによるデモ。後半に差しかかり、内容はより実際のプロの現場に踏み込んでいく。まずはメタルマスクとクリームはんだを用いた手印刷の実演。そしてピンセットでの部品実装が行われる。いずれも手際のよい仕事で、参加者一同、職人の手つきに目を奪われていた。

基板の上にメタルマスクを位置合わせ・固定した上に、適量のはんだクリームをメタルマスク上に置いて、専用のスキージで手前に引く。
するとメタルマスクの開口部にのみクリームはんだが残る。シルクスクリーンやスレンシルの原理に近い。

手実装を本来想定していないほどの微小なチップ部品=1005(1.0mm x 0.5mm)を正確に素早く手実装している!これぞプロの技!

PCBAルームでの実習~マシン実装の流れを学ぶ~

DMM.make AKIBA Studio内のPCBAルーム。そこにはマシン実装を実現する自動半田印刷機・チップマウンター・リフロー炉が揃っている。このワークショップの終盤では、プロの現場ではどういう作業が行われているのかを学んだ。
ここまで『100本ノック』で散々苦しめられた作業が、マシン実装を行うことでいとも簡単に、かつ短い時間で正確にマシン搭載されていく様子に一同驚きを隠せない様子。

はんだ印刷機用のメタルマスクの説明。手実装したときと異なり、外枠としてアルミフレームで囲われている。
マスクの張り具合が重要なポイント。

実際にチップマウンタ―から部品搭載されて出てきたばかりの状態のものを、ルーペで観察する参加者。

最後に、部品購入における注意事項のレクチャーと質疑応答が行われ、約3時間に及ぶワークショップは終了!

参加者からは、「表面実装のはんだ付けを自己流でやって失敗が多かったので、今回のワークショップでプロのノウハウを学ぶことができて非常に満足!」「もっと100本ノックを黙々と続けたかった!」などの声が上がった。一気通貫で学ぶことによって、参加者の手実装に対する興味が更に深まり、より学びたいという姿勢が浮き彫りになったワークショップ初回だった。

なお、ここでは紹介しきれないが、キョウデンとのコラボワークショップとして姉妹編となる『設計エラー100選!~失敗から学ぶ基板設計~』も同月開催された。
こちらは、基板設計の不具合の事例紹介や、部品実装のタクト短縮や回路性能の向上を実現する設計の方法を伝授。その座学をもとに演習に取り組むという内容で、こちらも大変好評をいただき幕を閉じた。

気になる次回は、9月16日(金)に設計編が、9月28日(水)に実装編がそれぞれパワーアップして帰ってくる!
この記事を読んで少しでも気になった方は、ぜひ早めに申込みをしてほしい。

AKIBAから一言

自己流のはんだ付けとは勝手が異なるため、手こずる参加者の皆さまを見守りつつ、実作業と実際のプロの現場を学ぶことができるワークショップとして無事成功し、スタッフ一同ほっとしております。

DMM.make AKIBAのスポンサー企業でもあるキョウデンさん。今回企画の立上げから多大な協力を頂いている企画営業の山岸さん、上原さんは、長年の野球で心身ともに鍛えられた体育会系営業!(お酒も強いです・・・)
次回の『100本ノック』も、優しくも厳しい熱血指導で開催されます。乞うご期待!

DMM.make AKIBA Workshopのお申込みはコチラから!
https://akiba.dmm-make.com/about/eventDetail/6

(編集・境 理恵)

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