【AKIBAの中の人 岡島が気になったハードウェアな話題】8月号

【AKIBAの中の人 岡島が気になったハードウェアな話題】8月号

DMM.make AKIBA
DMM.make AKIBA (ID4043) 公認maker 2016/09/07
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DMM.make AKIBAのエヴァンジェリスト岡島康憲がFacebookページで毎週月曜日に配信している、【AKIBAの中の人 岡島が気になったハードウェアな話題】の月間アーカイブです。
気になるハードウェア話をイッキ読み!

【1日】遠隔で操作できるLED照明"New ilumi Smartstrip"

今、生活のあらゆるところでLED照明が使われています。フィリップス社の「hue」のようにスマートフォンなどから色味や点灯のタイミングを制御できるシステムも登場しています。
今回紹介する「New ilumi Smartstrip」はhue同様遠隔で操作できるLED照明なのですが、制御するためのアプリケーションに力を入れているシステムです。
https://www.kickstarter.com/projects/ilumi/new-ilumi-smartstrip

New ilumi Smartstripがサポートする照明はテープ型のLEDや電球型のLED。それらを専用のアプリケーションから制御できます。システムに対応するLED照明でないと、制御できない点はhueと同じ。
ただアプリケーションには、いわゆる「ホームオートメーション」的な使い方をするための機能以外にも、スケジュール機能との同期させて所定の予定が来たら点灯する機能や、音楽のリズムに合わせて明滅するなど様々な機能が最初から用意されています。どの機能を使うのか、どのような用途に使うのかが決まっているのであれば、ifftなどのレシピを探すことなく箱を開けてすぐに自分の生活にLED照明を組み込むことができます。この点ではNew ilumi Smartstripは導入のハードルはhueよりも低いでしょう。

Webで配布されている様々な機能をダウンロードしカスタマイズすれば、思い通りのシステムが組めることはアーリーアダプタ向けのioT機器のよくある特徴ですが、同様の製品が普及フェイズに入るためにはユーザーが使うパターンを絞って「箱を開けてすぐ使える」ようにする必要があるでしょう。そういう点ではNew ilumi Smartstripも用途を絞り込み、ユーザーがより早く使いはじめることができるように改善する余地がありそうです。

New ilumi SmartstripはKickstarterで支援募集中で、支援金額に応じて同梱される照明の種類が変わります。最安は2mのLEDテープのみが同梱されたモデルでEarly bird価格は$59。目標金額は$50,000で残り7日時点での到達金額は$57,000。「多くの支援が飛びついてる!!」という状況ではないようです。

【8日】Maker Faire Tokyo 2016

先日8/6,7、Makerの皆さんによるMakeなお祭りこと「Maker Faire Tokyo 2016 (MFT2016)」が開催されました。もちろん大盛況だったわけですが皆さんの中には「当日見学に行けなかった」という方もいらっしゃるかもしれません。「出展してたから他の人のブース周る余裕ないです」というのもよくある話。「行ったけど全てのブースを回れなかった」という方もいるでしょう。(僕です)

というわけで今回は、MFTに行けなかったあなたも全ブース回れなかった僕も復習できるMFT2016レポート記事を紹介します。

まずは本家Makeさんのサイトから。今年の見所を写真付きで紹介しています。
karakuri productsさんのタチコマやmake道場さんのドームプロジェクションのような大きめのブツの展示以外にも、taphonomyさんの様々な素材を組合わせた積み木のような小物系などよく見るとグッと来る展示も紹介しています。たしかに1/2のタチコマは会場でも目立ってました。
http://makezine.jp/blog/2016/08/mft2016_photoreport.html

Makeのサイトではこの記事以外にもmaker-faireカテゴリでその他の展示を詳しめに紹介しています。
http://makezine.jp/blog/category/maker-faire

ロボット情報WebマガジンのロボスタさんもMFTを取り上げています。ロボット情報のメディアだけあってロボットにゆかりのある展示の紹介が中心。しかもパート3まで。冒頭に取り上げているブースがデイリーポータルZさんのヘボコンというのが通ですね。
http://robotstart.info/2016/08/06/makerfairetokyo2016_01.html
http://robotstart.info/2016/08/06/makerfairetokyo2016_02.html
http://robotstart.info/2016/08/06/makerfairetokyo2016_03.html

Engadgetさんは「Engadget電子工作部」としてブースも構えていらっしゃいました。記事ではEngadget電子工作部ブースの展示物の紹介が中心。MFT全体の紹介はこれからかな?
http://japanese.engadget.com/2016/07/29/engadget-2016-maker-faire-tokyo-8-6-7/

おそらく今日以降も、様々なメディアでMFTの様子が取り上げられると思います。見落とした展示を記事で勉強しながら来年も開催されるであろうMaker Faire Tokyo 2017で何を展示するか考えるといいと思います。

【15日】自転車用のスマートベル”Shoka Bell”

今回紹介するShoka BellはKickstarterで活動中の「自転車用のスマートベル兼ライト兼ナビゲーションシステム兼防犯アラーム」。なかなか便利そうな一品です。
https://www.kickstarter.com/projects/dnlfls/shoka-bell-the-ultimate-city-cycling-tool

Shaka Bellは、2015年5月に立ち上がったシンガポールのスタートアップ Shokaが開発した自転車用ベルです。通常のベルとして使う以外に…
・自転車の存在を示すフラッシュライト
・利用者に対して目的地の方向を示す簡易的なナビゲーション
・ベルそのものを自転車から取り外して持ち歩くことで自転車に何かしらの振動が加わった際にアラームが鳴る防犯システム
といった機能を自転車のハンドルに取り付けるデバイスにまとめています。

様々な機能をてんこ盛りにするとハードウェアの要求スペックが上がり、UIも使いづらくなるのがサービス開発の常ですが、Shoka Bellは「利用者の安全性を上げる」という軸を揃えることでそれらの機能をうまく一つのハードウェアとスマートフォンアプリにまとめているようです。

Shaka Bellはmicro USB充電で200時間動作し、屋外利用を想定して防水性も高いとのこと。ベルの音として鳴らす音も専用アプリからダウンロード可能といういわゆるスマホっぽい機能も持っています。ただバッテリーが切れた状態でも音が鳴らせるのかは不明。
Kickstarterでのプロジェクトはすでにゴール金額を突破して1200人以上から14万ドルを集めています。現在一番安価なコースは$99でShaka Bellを一つ入手できるというもの。順調に行けば2017年3月に配送されるそうです。

【22日】バイオテックスタートアップのアクセラレータ”IndieBio”

今回の話題は特定のハードウェアではなくバイオテック。微生物や生体物質を扱うスタートアップのアクセラレータであるIndieBioがこれまで開催したデモデイに関する記事を紹介します。
なおIndieBioについてはこちら。
http://www.indiebio.co/

まずは2016年のIndieBio Demoday参加チームを紹介したTechCrunchの記事。
(リンク)
もう一つは現在は500 Startups Japanの中の人である澤山さんによる、2015年のIndieBio Demoday参加チームの紹介記事。
(リンク)

ここで紹介されているチームの一部をざっと見るだけでも…
・牛一頭分の皮革をキノコを使って3週間で製造
・遺伝子操作したイースト菌を使って卵白を安全かつ効率的に製造
・バイオ技術と3Dプリンタでサイの角を製造
などなど、一体何を言っているんだ的な技術が盛りだくさんです。

いずれの技術も何かしらの製造装置が関与しているのでmakeな部分はあるわけですが、特にこの3つは気になります。
①喘息予防のためのデバイスであるKnox Medical Diagnostics
 ⇒http://www.knox.co/
②ビールやチーズを製造できる発酵装置を開発するオープンソースプロジェクトARK REACTOR
 ⇒http://www.arkreactor.com/
③ピペット操作をロボットで自動化するaBioBot
 ⇒https://abiobot.org/

Webやアプリの分野から盛んになったアクセラレータもハードウェアやIoTときて、バイオテックにも広がっています。このジャンルにもmake界隈の人達が関わる可能性は色々とありそうです。

【29日】場所の混雑度を計測する"Desnsity"

オフィスや店舗など、多くの人が集まる場所の混雑度を計測することは場所の管理や運営、サービス改善に役立ちます。今回紹介するDesnsityが開発中のシステムは、会議室やオフィスなどのスペースにどの程度の人がいるかを計測できます。
https://www.density.io/

Desnsityの仕組みは、計測したいエリアの入り口天井付近に設置するデバイスが出入りする人をカウントし、エリアにいる人の数を計測するというもの。デバイスには赤外線を利用した深度センサや温度センサなどを搭載し、混雑度のデータは専用のクラウドにアップロードされ、ユーザーはアプリやAPIを通じてデータを取得できます。
混雑度を知ることで、例えばコワーキングスペースであればエリアごとに最適な机の数や深夜帯のセキュリティ体制など、様々な判断を人手を使わずに行うことができます。DMM.make AKIBAにも使えそうです。
価格は$45/月から。開発元のDesnsityはサンフランシスコに拠点を置く企業で、2014年に創業。これまで約4億円を調達しています。
https://www.crunchbase.com/organization/density#/entity

Densityが採用した手法以外にも、混雑度の計測には様々な選択肢があります。
・人間が出す二酸化炭素を検知する手法
・訪れた人が持っている携帯電話が出すBluetooth信号を検知する手法
・距離センサを使って人の動きを検知する手法
がメジャーなところ。
求められる精度やコスト、プライバシーへの配慮などをふまえて適切なシステムを組むと何かの商売につながるかもしれません。


(編集・境 理恵)

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