【AKIBAの中の人 岡島が気になったハードウェアな話題】6月号

【AKIBAの中の人 岡島が気になったハードウェアな話題】6月号

DMM.make AKIBA
DMM.make AKIBA (ID4043) 公認maker 2016/09/06
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DMM.make AKIBAのエヴァンジェリスト岡島康憲がFacebookページで毎週月曜日に配信している、【AKIBAの中の人 岡島が気になったハードウェアな話題】の月間アーカイブです。
気になるハードウェア話をイッキ読み!

【6日】「電子回路を印刷」する銀インク”Agic”

今日は電子回路に関する2つの技術を紹介します。

電気を使って動くたぐいのハードウェアには欠かすことのできない電子回路。そして電子回路に関する技術を扱うハードウェアスタートアップとして注目されているのが「Agic」。電機を通す性質を持つ銀インクを使って様々なものに「電子回路を印刷」する技術は、教育や試作の分野はもちろん産業分野でも活用されています。
https://agic.cc/ja

こうした電子回路の印刷技術の活用事例として、先日話題になった「照明になるしおり」が挙げられます。照明の表面には電子回路が印刷され、LEDライトが貼り付けられています。照明として使う際はこのしおりをグニャリと折りたたんで電池を挟むだけ。ある程度なら曲げても大丈夫な印刷の性質を活かした事例でしょう。
http://www.designboom.com/shop/design/bookmark-light-kyouei-design-06-02-2016/

その一方で、樹脂製品にICなどの電子部品を埋め込み製品の表面に電子回路を印刷することで、曲面などそれまで電子回路を設置するには難しかった場所に電子回路を作る技術も開発されています。この技術が発展すれば、より様々な形状のものにセンサーや照明などの機能を埋め込むことができるでしょう。
複雑な形状で大きさが限られ、でもセンサーや照明などを入れる必要が出てくるであろう、ウェアラブル機器や自動車の車内装置に向いた技術かもしれません。
http://www.omron.co.jp/press/2016/06/c0602.html

革新的な製品の裏には革新的な技術が使われることが多いです。スマートフォンの薄型化を可能にした背景にはカメラモジュールの薄型化がありましたし、これから伸びるであろうVR/MR系デバイスにとっては光学部品の発展は不可欠でしょう。

今回とりあげた電子回路を作るための技術「印刷」も「樹脂埋め込み」も、今後登場する革新的な製品とそれを生み出すハードウェアスタートアップにとって重要な技術になるはずです。

【13日】4K画質撮影が可能なクアッドコプター”Exo360 Drone”

世間はドローンが話題です。で、その中心は飛行型ドローン。

日々クラウドファンディングを見ていると、飛行型ドローンがよく出てきます。Indiegogoでプロジェクトが公開されている「Exo360 Drone」もその一つ。いわゆるクアッドコプターですが、機体に5つのカメラを搭載し周囲360度の映像を4K画質で撮影できる点が特徴です。
https://www.indiegogo.com/projects/exo360-drone-aerial-360-video-made-simple--2#/

Indiegogoのページには、Exo360 Droneで撮影された360度映像サンプルも公開されています。おそらくヘッドマウントディスプレイなどを使って動画を再生することを想定しているのでしょう。アイスホッケーの会場を撮影した動画を見ると、スポーツの楽しみ方が広がる予感がします。

Exo360 Droneのプロジェクト目標額は25,000ドル。残り19日時点ですでに目標金額は達成しています。2016年12月出荷予定でIndiegogoからは1台999ドルから支援可能です。

カメラ搭載型ドローンといえば、2015年に発表され話題になった「Lily」が思い出されます。屋外でのスポーツやレジャーでの利用が想定されたLilyは360度撮影などの機能はありませんが、防水や「投げるだけで飛ぶ」などの機能が特徴的です。
https://www.lily.camera/

とりあえずLilyを投げると自分のあとを追いながら自分を撮影してくれる、というのは面白い体験でしょう。こちらも現在Pre order中。出荷が待ち遠しいです。

クアッドコプターにカメラを搭載し、風景を撮影するといったことはだんだんとメジャーになってきました。その流れの中で、Exo360 DroneやLilyは「ただ空撮ができるドローン」というだけでなく、スポーツやレジャーシーンでの利用を前提に、「撮影した動画の楽しみ方」まで提案している製品といえるでしょう。

【20日】お料理系IoTデバイス"MEATER"

今日はお料理系IoTデバイスの話題。
KickstarterやIndiegogoなどではだいたい2,3ヶ月に一度のペースで「お料理系IoTデバイス」が話題になります。でも大半は実際に料理してなさそうな人が考えたとしか思えないデバイスだったりするのも事実。

ですが今回紹介する「MEATER」は、料理を日々やっていてかつ失敗に満ち溢れた料理生活を送っていると思われる人が開発したデバイスのようです。
https://www.indiegogo.com/projects/meater-the-only-wire-free-smart-meat-thermometer#/

MEATERは肉に差し込むことで肉の温度をスマホに教えてくれるデバイス。
ポイントは2つ。

一つ目は、棒状のデバイスの中に温度計と通信モジュールが全て入っているので「温度計を肉に挿して、温度計から伸びるケーブルをオーブンの外に引き出して通信モジュールにつなげる」といった手間がない点。
二つ目は、デバイスの中に埋め込まれた2つの温度計により、それぞれ肉の中の温度と肉の外の温度を計測できる点。

「デバイスを肉に挿してオーブンに入れればOK」というのは楽です。作った人はおそらく料理する人の手間を考えてくれています。
加えて、肉の中だけでなく外の温度も測ることで「肉の中を温めようとしているうちに表面が焦げる」といったことを避けられそうです。作った人はおそらく内部温度に気を取られすぎてかなり派手に失敗したことがある人と思われます。

ローストビーフも分厚いステーキも、塊肉をきっちりおいしく焼き上げるというのは試行錯誤が必要ですし、そんな状況だと調理中はオーブンやコンロの前から離れづらいです。MEATERを使うことで別の作業をしながらもきっちりおいしく焼き上げられるかもしれない、というのは魅力的です。MEATERは最小構成で$59から支援できます。

なお温度計すら使いたくない、という人には「鶏肉のぎゅうぎゅう焼き」がおすすめです。

鶏肉のぶつ切り(唐揚げ用とかでOK)と野菜とハーブを耐熱皿に平たくならべてオリーブオイルをふりかけて150度で30分、180度で10分で出来上がります。
こちらは失敗のしようのない肉料理です。
http://news.cookpad.com/articles/10472

【27日】プロトタイピングツール"Nefry"

今日はIoTなサムシングをチャチャっと作るのに便利なプロトタイピングツール「Nefry」を紹介します。

IoTなプロトタイピングに便利と話題になっているのが「ESP-WROOM-02」。
これは「ESP8266EX」というWifi付きマイコンを使いやすくするモジュールなわけですが、センサーの接続や電源供給、プログラムの書き込みなどの点では初心者にはハードルが高いです。

そんなハードルを下げるための開発ツールはいくつかありますが、今回紹介するNefryもその一つ。Nefryは愛知県の学生「わみさん」が開発したIoTプロトタイピング向けデバイスで、ESP-WROOM-02をベースにMilkcocoaやmythings、IFTTTなどのインターネットのサービスとハードウエアを簡単に接続できるモジュールです。ちなみに本体価格¥3,980で販売中。
https://dotstud.io/projects/nefry-connect-internet/

基板にはESP-WROOM-02をベースにした他社製開発ボード同様にピンソケットがある一方、USBのようなプラグアンドプレイ感覚でセンサーやLEDなどのモジュールを接続できる「Grove」に対応したコネクタも搭載しています。これにより、初心者がより気軽に様々なセンサーを扱うことができます。
(ただしGroveモジュールを使うためのライブラリはESP8266だとそのままでは動かないものもあるようです。このあたりは要調査。)

NefryにはUSB-Aタイプオスのコネクタがついており、そのままPCに差し込んで電源供給やプログラムの書き込みが可能です。もちろん、プログラムを書き込んでセンサーなどのモジュールを接続をした後はUSBバッテリーなどを繋げばそのままネットワークに接続し、動作を開始します。

初期設定やプログラムの書き込みも特徴的で、電源供給するとNefryはWifiのアクセスポイント兼Webサーバとしての動作も行います。開発の際は、webサーバとしてのNefryにブラウザを使ってアクセスし、NefryをWifi接続させるための初期設定やプログラムの書き込みを行います。

開発者のわみさんによる、より詳しい解説はこちら。
http://liginc.co.jp/236620

マニュアルもあります。
https://wamisnet.github.io/Nefry_manual.pdf

IoTを気軽にプロトタイピングするためのデバイスはたくさんありますが、まだまだ手が届かない「かゆい所」もあるはず。
かゆい所に手が届くプロトタイピングツールはこれからも出てきそうです。

(編集・境 理恵)

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