【CAD不使用】フリーソフトだけでタンパク分子の3Dプリント用データの作製

【CAD不使用】フリーソフトだけでタンパク分子の3Dプリント用データの作製

山椒魚
山椒魚 (ID3679) 2017/01/19
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タンパク質モデルの3Dプリントをしようと思う。

 バイオ系の研究者が、タンパク質の3Dモデルを3Dプリントして学会発表のポスターに貼ったりして見せびらかしたいという場合を考える。

 大抵の場合、3Dプリント用データの作製、編集はCAD(3dsmaxとかでしょうか)上で行われる事が多い。だが、普段バイオの実験をやっている人間にとってCADは、学習に時間がかかるだけでなく、ソフトウェアなどを導入するハードルが高い(Blenderとかでもいけるんだろうか。)。そして普段の実験も疎かにできない。となると、外部に委託することになるが、データ作製から造形までが高い。(15万円ぐらいっぽい)

 そこで、フリーソフトのみでお手軽に、タンパク質の3Dプリント用データを作成する方法をまとめた。
 Discovery Studio Visualizer(v16.1.0.15350)の体験版を使います。BIOVIAからダウンロードしてください。また、今回は緑色蛍光タンパク質(GFP(PDBID:1GFL))を3Dプリントするためのデータを作ります。

今回紹介する方法でできること、できないこと

・できること
 PDBデータから3Dプリント用データ(VRML)を作成する
 フルカラー用データの作製(Discovery Studio上で色を変更することで、3Dモデルにもその色が反映される。)
 原子のサイズ調整

・できないこと
 リボン形式で表示したモデルの造形(データ作製は可能だが、細い部分が多いので、破損の可能性高)
 モデル補強用の支柱の追加(分子モデルViewerだから、仕方ないですね。)
 モデル全体のサイズ・倍率変更(Discoverystudioでできないだけで、CG編集ソフトなら可能)
 架台の付加

・サイズに関して
 PDBデータでは、原子座標がÅ単位で表記されていますが、出力時にmm単位に直されます。(例:PDBデータ内で2 Å→VRMLデータ上・造形時に2 mm)

手順

1,GFPのPDBデータをダウンロード

http://www.rcsb.org/pdb/explore/explore.do?structureId=1GFL
上記URLから、Download Files→PDB Formatを選択し、GFPのタンパク質構造データをダウンロードする。

2,Discovery StudioでPDBファイルを開く

1GFL.pdbをDiscoveryStudioで開く

↓GFPを1分子だけ選択して

↓Edit→Invert Selection で選択範囲を反転

↓Deleteキーを押して不要な部分を削除

↑これでGFPを1分子だけ取り出してくることができました。

 この状態でも、3Dプリント用のVRMLデータを作成できますが、細い部分が1mm以下なので、金属で出力し。。。てもあやしいですが、石膏だと細い部分は簡単に破損します。

3,データの修正 (CPKモデルの出力用)

↓一旦、リボン表示のGFPを不可視化します。  (View→Display Style→Protein→Off

↓次に、Atomタブを選択して、CPKを選択します。

最初は選択範囲が黄色くなりますが、
適当に黒いところをクリックすると選択解除されて、それっぽい原子の色でモデルが表示されます。

4, 3Dプリント用データの出力(VRML形式データの出力)

タンパクモデルをCPK表示できたら、あとはデータをVRML形式で保存するだけです。

File→Save Asから、ファイルの種類「VRML World Files(*.wrl)」を選択して保存しましょう。

今回は、1gfl.wrlという名前で保存しました。

5, データのアップロードとエラーチェック、見積もりなど

今回は、DMM3Dプリント(https://make.dmm.com/print/)に1gfl.wrlをアップロードして、3Dプリントした際の価格を見積もって見ようと思います。それと同時に、データのエラーチェックも行われます。アカウント登録が必要です。
 

6, 見積もり結果

[サイズ] X:55.155mm × Y:49.756mm × Z:40.946mm
フルカラー石膏で出力して2,916円
自前だと安くできますね。

今回作ったデータサンプル配布

1gfl.wrlを配布します。 中身を見ると、2千個以上の球(原子)のデータなので、ものすごいメッシュ数になっていると思われる。
 Discovery Studioで出力したVRMLファイルは、Ver 1.0なので、最近のCADソフトでは読み込む前に2.0に変換し直さないといけないことがあるようです。

※投稿されたファイルについて、当社は一切責任を負いません。
DMM.make利用規約に同意の上、自己の責任でダウンロードしてください。

追加

CPKだと、モデル内部の球の数が2千個以上と多いので、見積もり時のデータチェックに時間がかかりました。(30分以上はかかった)
 下記のようなサーフェースモデルVRMLデータを作成すれば、多分見積もり時のデータチェック時間が短縮できます。2分で見積もり終わりました。石膏フルカラーで5856円でした。
 

※投稿されたファイルについて、当社は一切責任を負いません。
DMM.make利用規約に同意の上、自己の責任でダウンロードしてください。

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