【AKIBAの中の人 岡島が気になったIoTな話題】4月号

【AKIBAの中の人 岡島が気になったIoTな話題】4月号

DMM.make AKIBA
DMM.make AKIBA (ID4043) 公認maker 2017/05/17
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DMM.make AKIBAのエヴァンジェリスト岡島康憲がFacebookページで毎週月曜日に配信している、【AKIBAの中の人 岡島が気になった今週のIoTな話題】の月間アーカイブです。
気になるハードウェア話をイッキ読み!(文・岡島康憲)

【3日】全身で重低音を感じるデバイス - hapbeat

どうも、DMM.make AKIBAの中の人の岡島です。

DMM.make AKIBA Open Challengeにも参加中の東京工業大学発ベンチャーであるHapbeat合同会社さんが、重低音を全身で体感できるウェアラブルスピーカー「hapbeat」のクラウドファンディングを開始しました。
https://www.kickstarter.com/projects/469394403/hapbeat-wearable-body-speaker

自宅で音楽を聞く場合とライブ会場で音楽を聞く場合、二つの大きな違いは重低音。自宅と違ってライブ会場では独特の重低音が全身に響きます。hapbeatはそうした全身に響く重低音を再現するウェアラブルスピーカーです。とはいえライブ会場同様の大きい音を鳴らすわけではありません。

hapbeatのキモは糸。手のひらサイズの本体から伸びる糸を胸辺りに一周させます。あとは本体とスマートフォンなどの音源をつないで音楽を再生するだけ。これで楽曲の重低音の成分を糸の振動に変換し、身体に重低音を伝えます。

私自身も数回体験しましたが確かに全身に響きます。音楽だけでなくVR分野にも活用できそうなプロダクトかもしれません。

糸を適切に振動させ重低音の体験につなげるしくみは研究レベルでは様々な模索がされているそうです。そうしたノウハウを活かしてhapbeatは開発されています。詳しい技術説明はクラウドファンディングのページに記載されています。

今回始まったクラウドファンディングの目的はhapbeatの製品化。未だ試作品であるhapbeatに対し量産に向けた様々な改良を施し、製品レベルまで引き上げることを目指しています。$199の支援を通じて、製品が完成した場合は1台のhapbeatを受け取ることができます。

ちなみにHapbeat合同会社さんも参加している「DMM.make AKIBA Open Challenge」は、現在のプロトタイプをビジネス化を見据えた「もう一歩先の形」に発展させる開発を、DMM.make AKIBAを含めた複数の企業がお手伝いするプログラムです。現在第二期募集中。締切は2017/4/30です。
https://akiba.dmm-make.com/form/openchallenge/

【10日】最近のフランスの話題

先日、フランス リヨン市にて「SidO」というIoTをテーマにした展示会が開催されました。このイベントではDMM.make AKIBAで活動いただいているスタートアップの皆さんも展示しました。またSidOに限らず現在フランスではIoTも含め様々な分野のスタートアップの振興策を打ち出しています。今日はプロダクトというより国の施策の話題です。
http://www.sido-event.com/en/

まずはSidO。SidOは今年で三回目を迎えるIoT関連企業の展示会です。「Le Showroom de l'inteligence des objets」の略。特にスタートアップの展示には力を入れており、250以上の展示のうち100以上がスタートアップによるものだそうです。DMM.make AKIBAにて活動いただいている株式会社CuboRexもスケートボードに取り付ける電動クローラー拡張キット「Cuboard」の展示を行っています。
https://www.facebook.com/cuborex0sido/

SidOについては日本のメディアもあまりとりあげていないようで、現場に行っていない私もどういった雰囲気だったのかイマイチ掴みきれていませんが、現地で展示に関わったDMM.make AKIBAスタッフによる報告が4/12にDMM.make AKIBAで行われる「AKIBAでつながる交流会」で行われます。気になる方は是非。
http://peatix.com/event/251280

SidO以外にもフランスではスタートアップ振興のための施策を打ち出しています。中でもインパクトがあったのが「French Tech Visa」。これはEU圏外の国籍を持つ人が、フランス政府がしている約100社のスタートアップに採用された場合に、本人や家族のビザの取得がスムースになるというもの。スタートアップにとって優れた人材を良い条件で採用することは非常に重要です。この施策はフランスで活動するスタートアップにとってポジティブな施策でしょう。詳しくはTechCrunchの記事にて。
http://jp.techcrunch.com/2017/01/19/20170117france-creates-a-special-visa-for-entrepreneurs-engineers-and-investors/

もちろんフランス以外にもイギリスやドイツも様々なスタートアップ振興策を打ち出していますが、2017年1月に開催されたCESでのフランスのスタートアップの盛り上がりを見ると、今のところはフランスが一歩リードしているようです。

【17日】Webに疑似データを送ってくれる仮想デバイス - mockmock

IoTなシステムの例としてよく挙げられるのが「センサーデバイスをWebに接続して温度や湿度などをサーバに蓄える」というもの。こういったシステムを作る際によく起きる「デバイスが無いとこれ以上Web側のテストができないですよ問題」を解決できそうなサービスを見つけたので紹介します。
https://mock-mock.com/ja/

例えばセンサーデバイスとWebを連携したシステムを作ろうとする場合、Web側の開発を進める上で必要なテストをするために「データをWebに送ってくれるデバイス」が必要になります。ダミーデータでも良いから何かしらの値を定期的にWeb側のシステムに送ってくれるデバイスが30個欲しい。でもデバイスの開発が間に合ってなくて30個もデバイスが用意できない。mockmockはこうした課題を解決してくれるサービスです。

mockmockは所定のサーバに疑似データを送信する仮想デバイスをクラウド上に構築できるサービスで、ユーザーが指定するデータ形式、送信頻度、個数の仮想デバイスをWeb側のシステムに接続できます。こうすることで正式な開発用デバイスが完成するまでの間、Web側の開発を進めることができます。「1000台のデバイスが同時にデータを送信しても破綻しないかチェックしたい」そんなテストにも使えそうです。

こちらで実際の使用例も紹介されていますが、物理的にデバイスを数多く用意することなく、Webの管理画面で仮想デバイスを作ることができるのは確かに便利そうです。
http://dev.classmethod.jp/cloud/aws/introduce-of-mockmock-to-aws-iot/

mockmockの料金体系は台数に応じた従量課金。仮想デバイス1台なら無料。お値段は張りますが5000台まで利用できるようです。 IoTの開発といえばデバイスの開発に目が行きがちですが、最近では「I」の方のサービスを手がけるスタートアップも増えています。mockmockはそうしたサービスの開発には便利なサービスになるでしょう。

【24日】スマホの文字入力が楽になりそう 〜 頭脳直結テキスト入力

今日は「入力」の話。Facebookが開発中の「考えたことをそのままテキスト化する技術」というSFチックな話です。
http://jp.techcrunch.com/2017/04/20/20170419facebook-brain-interface/

Facebook主催の技術発表イベント「F8」にて、人体へデバイスなどを埋め込むことなく、脳の中をスキャンすることで頭のなかで考えている単語をテキストとして取り出すことができる技術が発表されました。脳のスキャンといえば病院などに置かれているMRIやCTスキャンなどがありますが、今回Facebookが開発した技術がどのような装置で実装されているかは明確には示されませんでした。

また脳内のイメージをそのまま取り出すと聞くとプライバシーの問題が気になりますが、今回の技術は脳内の全ての情報を取り出すのではなく、ユーザーが明確に文字入力したい文字列のみを取り出すものになるそうです。

これまでのフィクションなどでよく扱われている「電脳通信」では脳の近くに通信装置を埋め込んだり、脳そのものを電子デバイスに置き換えたりと、何かしらの形で人体にデバイスを埋め込むことで脳内の情報を取り出してきました。Facebookが開発した技術はSFすらも超えたものになりそうです。

ここまで読むと「ハッタリなんじゃない?」と思ってしまいますが、この研究を進めているレギーナ・ドゥーガンさんはDARPA出身。DARPAはアメリカ国防高等研究計画局で、インターネットの原型となったARPANETの開発、4足歩行ビッグドッグ開発の支援を行っていた組織です。そうした経歴の人が本気で取り組んでいるプロジェクトであれば、ただのベーパーウェアで終わることは無さそうです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%98%B2%E9%AB%98%E7%AD%89%E7%A0%94%E7%A9%B6%E8%A8%88%E7%94%BB%E5%B1%80

FacebookのR&D部門の責任者であるレギーナ・ドゥーガンさんによるプレゼンはこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=kCDWKdmwhUI

なお、この手の技術を考える上でとりあえず前提として見ておくべき作品は「攻殻機動隊」。劇場版やコミック、実写版など様々なバージョンがありますが「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」がおすすめです。電脳通信を使う人が大半になった社会の中で「噂」や「模倣」がどう広まり個人の活動に影響を与えるか、という話です。原作コミックはその後で良いです。文字多いので。

(編集・境 理恵)

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