加工条件決め方メモ

加工条件決め方メモ

ずみ
ずみ (ID4371) 2018/06/09
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DMM.make AKIBAの卓上切削加工機"KitMill"を使用する際、送り速度や切込量等の加工条件は、kitmillの制御ボックスに張られている加工条件参考表や、オリジナルマインド様のHPの加工サンプルの条件を参考にして決めていました。
今回、家にある加工機のスピンドルをパワーアップしたいと思ったこともあり、スピンドルの仕様が変わっても正確な加工条件を決めれるようにするため、これを機に加工条件の決め方について調べてみることにしました。

間違った情報を載せてしまっている可能性もございますので、その際はご指摘いただけると大変ありがたく存じます。

前提条件

KitMillにおいて、アルミに対してφ1mmエンドミルを取り付けて加工する際の加工条件を考えます。

●使用機械:KitMill SR200
 ・スピンドル最大回転数:10,000[rpm]
 ・スピンドル定格出力:35[W]

●加工対象物
 ・アルミ(A5052)

●加工方法
 ・スクエアエンドミルによる溝加工

●使用エンドミル
 ・超鋼スクエアエンドミル
   型番:XAL-PEM2LB1-6
   刃:2[枚]
   径:φ1[mm]
   首下長:6[mm]
   メーカー:ミスミ 
   単価:890[円]
   (http://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/110600363270/?HissuCode=XAL-PEM2LB1-6&PNSearch=XAL-PEM2LB1-6)

エンドミル仕様

今回使用するエンドミルは切削条件に関する資料が充実しているため、それを参考にして切削条件を決めることができます。詳細な仕様・資料がないエンドミルでも、同等品の資料を参考にすることで切削条件を求められると思われます。
(http://jp.c.misumi-ec.com/book/VONA_FM01/digitalcatalog.html?page_num=FM-323)

表の有効長はエンドミルの首下長になります。

今回使用するエンドミルはφ1mm 首下長6mmになるため、切削条件は下記になります。
 ・送り速度:1260 [mm/min]
 ・回転速度:34130[rpm]
 ・Ad(切込量):0.088[mm]

回転数と送り速度修正

ただ、今回使用するkitmillの回転数の上限が10000[rpm]のため、それに伴い送り速度も減らす必要があります。
資料上欄にある通り、送り速度と回転速度を同じ比率で下げればいいようです。
送り速度と回転速度の関係は比例になっているようです。
https://www.ns-tool.com/ja/technology/technical_data/cutting_speed/

 ・送り速度(修正後):369[mm/min]
 ・回転速度(修正後):10000[rpm]

上記は2枚刃の数値になりますが、4枚刃でしたら送り速度をより上げることができ(592[mm/min前後])、より短時間の切削が可能です。(XAL-PEM4LB1-6の欄を参照)
4枚刃は切りくずが詰まりやすい等デメリットもございますので注意が必要です(と聞いたことがあります)。

必要動力計算

切込量に関しては、スピンドル必要動力との相談にもなります。

スピンドル必要動力を求める計算式は下記を参照させていただきました。
http://carbide.mmc.co.jp/technical_information/tec_rotating_tools/tec_rotating_insert/tec_rotating_formula/tec_milling_power_formula

今回の場合、
切込:0.088[mm]、 切削幅:1[mm]、 送り速度:[369mm/min]、 
比切削抵抗:580[Mpa]、 機械効率係数:0.6[-](丸ベルト伝達や安全率等を加味) として、
所要動力は 0.5[W]でした。
(小数第2までしか表示されないため、比切削抵抗を100倍しております)

スピンドルの定格出力は35Wのため、切込量に関しても全く問題なさそうです。

エンドミルの径を大きくする、切込を深くする、比切削抵抗の大きい材料を加工しようとすると所要動力は上がります。

下記計算例だと、黄銅に対してエンドミル径φ6mm、送り速度を4枚刃想定で592mm/min、切込0.3mmとすると、35Wくらいまで上がります。
これ以上切り込んでの加工は少し厳しいかもしれません。

かなり条件を厳しくしないと35Wには届かないように思えますが、経年劣化や意図していない効率低下などの要素もあるため、ある程度の余裕は持った方がよさそうです。

エンドミルの径が大きいからといって切込を増やすと、スピンドルの出力不足で加工できない場合があるので注意が必要です。
kitmillの場合は過負荷を検出して停止してくれます。

最終的な加工条件

修正後の加工条件は下記になりました。

[加工条件]
 ・送り速度:369 [mm/min]
 ・回転速度:10000[rpm]
 ・Ad(切込量):0.088[mm]

加工条件参考表やオリジナルマインド様HPの加工サンプルの条件の値と大きくは違っていないため、間違っていることはなさそうです。

加工条件は機械の剛性や固定方法等の数値化できない要素にもよってくるため、マージンを持つか、加工の様子を見ながら調整する必要がありそうです。

エンドミルの刃数について

上記でも少し書いてありますが、エンドミルの刃数でも条件が変わってきます。
小径エンドミルだと刃数2,3,4のエンドミルが多いと思われます。
刃数の違いによるメリットをまとめてみました。
2枚刃のメリットは逆に4枚刃のデメリットになるとも言えます。

2枚刃 メリット
 ・4枚刃と比べて、エンドミルの単価が安い(ミスミXALシリーズ比較)
 ・4枚刃と比べて、切子が排出しやすくつまりにくい
  特に溝加工は切りくずが排出しにくいので2枚刃の方が優れるとのこと

4枚刃 メリット
 ・2枚刃と比べて、切削速度を倍近く早くできる(1刃当りの送りを同等にした場合比較)
 ・2枚刃と比べて、芯が太く高剛性=高精度に加工できる

低コストで高速に切削しても切りくずが詰まりにくい2枚刃は荒取加工に、高精度かつ高速に加工できる4枚刃は仕上加工に使われることが多いようです。
切りくずの排出が問題なければ4枚刃で高速に荒取加工という選択肢もあるかもしれないので、一概には言えないのかもしれません。

3枚刃に関しては上記の中間的な性能を示します。悩んだら3枚刃でいいような気がしますが、種類が少なかったり意外と高かったりで注意が必要です。

樹脂加工には2枚刃が向いていることが多く、樹脂加工用エンドミルは2枚刃が多い印象です。

[参考]
https://jp.tech.misumi-ec.com/categories/machine_processing/mp01/b0025.html

樹脂加工について

上記のエンドミルは樹脂用でないこともあり、樹脂加工時の条件は記載されておりません。
樹脂加工用エンドミルの情報を参考にして加工条件を決めるのがいいかもしれません。

ユニオンツールのCPRLシリーズが、加工条件の情報等が記載されておりとても参考になります。
http://www.info.askul.co.jp/product/20170707/CPRL_144.pdf

切込はエンドミル径の1/3 ~ 1/2くらい。
回転数の条件は樹脂の種類によって大きく違っております。
ABSとアクリルで回転数がこれだけが違っていることに驚きました...(これまでは同じ樹脂だろうということで特に考えず加工しておりました)

あくまでこのエンドミルを使った場合の加工条件になるため、それ以外で加工する場合は様子を見ながら調整になると思われます。

まとめ

加工条件を暫定的に求めることができるようになりました!
求めた条件で加工をしてみて、加工中や加工後の状態を見てみようと思います。
追加事項があり次第、随時追記していこうと思います。

2万rpm出せるスピンドルが欲しい!!

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