スマートおしゃぶり『YourPacifier』開発

スマートおしゃぶり『YourPacifier』開発

Team Rota++ 0

きっかけはアジアや太平洋諸島の病院で見た子どもたち

アジアと太平洋諸島で公衆衛生調査をしていたチームメンバーの一人は、現地の病院には下痢のために危険な脱水状態にさらされている大勢の子どもが入院していることに気が付きました。

ロタウイルスの現状

毎年、下痢により525,000人の5歳未満の子どもが死亡しています。

乳幼児を重篤な状態に陥らせるタイプの下痢の原因はロタウイルスです。ロタウイルスは子供の下痢による死亡の約40%を占め、世界中で毎年215,000人の死亡者が出ています。

ワクチン接種は強力な解決策ですが、高価すぎることに加え、ウイルスを完全に防ぐことを保証するものではありません(ワクチンの有効性は途上国で約70%です)。

ロタウイルス性胃腸炎はまた、先進国における重大な公衆衛生上の問題でもあり、5歳までにほぼすべての子供が感染します。

これは、米国においては子供の胃腸炎の入院における最も一般的な原因であり、年間およそ10億ドルもの費用に直接的および間接的に関連しています。

手洗い衛生およびワクチン接種は、医学的観点からウイルス感染に対して最良の解決策であると考えられていますが、上記の理由や手洗いを徹底することの難しさのために、ロタウイルスから赤ちゃんを実際に守ることはとても難しいのが現状です。私たちは学際的な議論の観点から、赤ちゃんへの水分補給を促すこと及び保護者への教育が妥当な解決策であると考えました。

私たちが提案する解決策『YourPacifier』

『YourPacifier』は赤ちゃんとその両親をサポートするスマートおしゃぶりです。

赤ちゃんが脱水状態のときに、赤ちゃんへの水分補給を促すこと及び保護者の取るべき行動をサポートすることを目的としたデバイスを開発しました。おしゃぶりが赤ちゃんの唇の湿度を感知します。センサを使って脱水を科学的に有効なエビデンスで実証し、その結果に基づいて保護者に取るべき行動を指示します。

危険な脱水症状の場合、モバイルアプリを通じて赤ちゃんの体全体の水分量をあなた(保護者)に通知します。その際、あなたはアプリ上で簡単な質問に回答することが求められます。 水分量が少なく、赤ちゃんが脱水症状で危険な場合、モバイルアプリはあなたに警告を出し、その後にあなたが行うべき行動を指示してくれます。例えば、赤ちゃんの状態が非常に深刻である場合、赤ちゃんを病院に連れていかなければならないとアプリは判断し指示します。またその際に、保水を促し、赤ちゃんの脱水に対して最初の援助をすることができます。

さらに、『YourPacifier』はユーザーのデータを収集し、あなたの子どもの周りの流行を検出することができます 。これらのデータは病院が確認できるようにすることで、地域全体としての感染状況等の分析にも役立ちます。

開発したシステムと今後の開発

私たちは既に、赤ちゃんの脱水状況の推移を確認するためのダッシュボードと『YourPacifier』のスマートフォンアプリケーション(iOS)、おしゃぶりの3Dモデルを開発しました。

https://www.youtube.com/watch?v=0KpKL2_BtdI

赤ちゃんの脱水状況の推移を確認するためのダッシュボードは、Ruby on Rails、HTML、CSS、Javascriptを使用して構築しました。
『YourPacifier』のスマートフォンアプリケーション(iOS)は、Xcodeとswiftを使用して作成し、おしゃぶりのプロトタイプを開発するためにarduinoとtouchセンサー、湿度センサーを使用しました。
おしゃぶりの3Dモデルはfusion 360を使用して設計しました。

今後の開発

開発した上記のシステムをブラッシュアップすると共に、実際に機能するおしゃぶりを制作します。特に『YourPacifier』のハードウェアにあたるおしゃぶりの開発においては、センサの最適化だけでなく、おしゃぶりそのものを3Dプリントし検証するというサイクルを繰り返して、実際に機能するおしゃぶりの開発にこれから取り組みます。

開発チーム

Team Rota++

医学生、バイオエンジニア、ハードウェアエンジニア、ソフトウェアエンジニア(2人)、プロダクトデザイナーの大学生・大学院生6人で開発しています。

受賞歴

Stanford’ healthcare hackathon “Health++ 2017”

アメリカ、スタンフォード大学で開催されたヘルスケアハッカソン(応募者521人、プロジェクト数52、ハッカソン総額賞金$13000)にて
・総合3位入賞
・ Persistent-Neodesign賞受賞

参考にしてくれた記事

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