制作メモ:慣れれば30分。普段使いの基板づくり

制作メモ:慣れれば30分。普段使いの基板づくり

akira_you
akira_you (ID197) 公認maker 2014/04/28
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ブレッドボードってダサイよね!基板を作りたいけど、業者に発注すると1週間かかるし〜。と、躊躇してる人は多いとおもう。そんな人向けの慣れれば30分(撮影しながらでも90分)でできる基板作製方法を紹介します。


基本的な流れは以下の通り。
1.レーザープリンタで光沢紙(トナー転写用紙)に回路を印刷
2.アイロンで生基板にトナー(インク)を転写
3.エッチング液でトナーが転写されていない部分を溶かして、残った銅部分が回路になってできあがり。

材料

・レーザープリンタ(私のは富士ゼロックスC2250)
・アイロン
・光沢紙(LBP-FP1310N)
・燃料用アルコール(消毒用でもOK)
・ラミネータ(無くても可:ホームセンターで3600円)
・ヤスリ(紙やすりでOK)
・マスキングテープ(3Mの黄色いものが安くておすすめ、100鈞のでもOK)
・生基板(銅張りガラスエポキシ板)

・エッチング液(今回は以下の3つで代用)
・オキシドール
・クエン酸(掃除用の安い物)
・塩

トナー転写用紙づくり

追記:
その後の実験で、アルコール洗浄なしで、CMC糊(カルボキシメチルセルロースナトリウム:陶芸の釉薬用の糊)を表面に筆で塗ってから乾かすだけのほうがよりよい転写シートになる事が分かりました。
乾燥した用紙は少なくとも3ヶ月ぐらいは暗所保存して使えます。

https://www.youtube.com/watch?v=blJ4WQi55NI

レーザープリンタ用の光沢紙には色々なタイプがあるのですが、ビニールのようなコーティングの上にトナー用のノリが着いているタイプを使います。ノリの威力を低減するため、今回はアルコールで軽く拭いています。ノリが僅かに残る程度が理想ですが、適当に薄めにしておけばOKです。処理した紙はプリンタに通す前によく乾燥させてください。(ヘアドライヤー使っても大丈夫です)

今回利用しているKOKUYO LBP-FP1310Nはロットによってはこの作業は不要です。私が今回買ったのはノリが分厚かったので拭き取っています。(クレーム対応でノリを分厚くした?)

こんな感じに多少ノリにムラがあっても大丈夫です。

回路図印刷

回路を印刷します。CADと呼ばれるソフトで作っても良いですし。寸法が正しく出力できる画像処理ソフトならなんでもOKです。私は回路図CAD(Kicad)でつくって、最後の整列作業をIllustratorでやっています。転写するので左右反転させる必要があるので気をつけて下さい。

追記:
CMC糊を塗っての印刷の時は、Fujixerox C2250では「厚紙2」に設定してください。(実際の紙の厚さよりも厚い設定) 手差しトレイからの用紙取り込みに失敗する場合は、手で用紙の吸い込みを補助すると印刷できます。

印刷の際に「厚紙」だとか「コート紙」だとかの設定がプリンタドライバに有るので、色々試して下さい。設定を間違えると上の写真のように、トナーがはがれて一部メケメケになってしまいます。
上の写真はコート紙とすべきところを、間違えて厚紙で出力しました。もったいないので綺麗に出力されてる所だけ切り取って利用しました。

基板切り出し

https://www.youtube.com/watch?v=K3Iq6XH3ZLo

基板を切り出します。ガラスエポキシ製基板の厚さ0.8mm以下がお勧めです。(分厚いと切るのが大変です)
カッターで切り出したらバリが出るので、ヤスリで必ず削って下さい。(紙やすりでもOK)
とにかく基板の平面から出っ張ったものが無いようにしてください。出っ張りがあると、アイロン転写のとき転写ムラになります。

基板洗浄

追記:
水場と作業場が遠い場合は、1000番ぐらいの紙やすりで磨いて、消毒用エタノールを含ませたティッシュで拭き上げるほうが楽かも知れません。

基板を手で触ると、指紋が錆びになってしまいます。でも気にしなくてOK。石鹸で洗った後にクエン酸につけ置きしてください。15秒ぐらいでサビは溶けて無くなります。

https://www.youtube.com/watch?v=FzdTSD1AJsY

ここが本番! 転写!

アイロンの設定温度は「中」よりちょっと下。「低」からみて8割ぐらいの温度で基板をあたためます。紙にはさんだ基板をの上にそっとアイロンをおいて20秒ほど温めてから、アイロンでゴシゴシこすって転写します。
ゴシゴシするのは疲れるので、最近は動画のようにラミネータを使っています。ラミネータの温度設定は高め(アイリスオーヤマのLTA42Eでは温度C設定)。念のため4回通してますが2回で十分転写できる事が多いです。

追記:
その後の実験で十分な暖機運転(暖気完了ブザーから2分程度)をすれば温度設定Aで転写したほうが綺麗に転写出来る事がわかりました。(Fujixorox C2250用 純正トナーの場合)

https://www.youtube.com/watch?v=nWIPXb1lvUM

エッチング(銅を溶かす)

エッチングは市販のエッチング液でやってもいいのですが、今回は身近にあるオキシドール・クエン酸・塩を使います。市販のエッチング液は不透明な茶色なんですが、このクエン酸エッチングだと透き通る青色で見ていて楽しいです。

塩:クエン酸=1:4ぐらいでオキシドールに対してわりと沢山溶かします(適当で大丈夫)。あとはヘアドライヤー等で45度ぐらいの温度にしてください。温度が高すぎるとオキシドールが蒸発して鼻が痛くなるので気をつけて下さい。(オキシドールの蒸気は周りの物質と反応して無害になりますが、濃いと有毒です。鼻の細胞が消毒されてしまいます。臭わない程度に換気してください。)

15分程度でエッチングは完了します。

https://www.youtube.com/watch?v=O3J1sI8REoQ

基板洗浄

追記:
銅箔が僅かに薄くなるのが気にならないのならば、1000〜2000番の紙やすりを使うと楽に落とせます。

エッチングが完了したら、水で基板を洗い、その後トナーを落とします。マニキュアの除光液やアセトンでも落とすのが楽ですが、ない場合は紙に高速にこすりつけて摩擦熱で落とす事もできます。僅かにトナーが残っていても半田付けには支障ありません、あらかた落ちればOKです。

トナーを落とすと同時に銅がさび始めるので、さびないようにフラックスを塗布してください。

https://www.youtube.com/watch?v=e23RfHBM_og

半田付けして完成

慣れれば30分で基板がつくれるとなると、チップ部品が途端に身近になります。なんと言っても部品の足を曲げたり、切ったりしなくていいのが楽です。みなさんもチャレンジしてみては?

今回作ったのは「無安定マルチバイブレータ」というトランジスタとコンデンサでできる定番のLチカ回路です。ググる写真がいっぱいあります。でっかい部品より、チップ部品の方がちょっと未来感あっていいですよね。

https://www.youtube.com/watch?v=hxPkeDG1OOc

ちなみに、半田付けしなくてもこんな感じのスタンプとしても使えます。半田付けに挫折したら、スタンプ作りににも使えます。

廃液処理

エッチングの廃液は人体にはオキシドール程度の有害性ですが、魚には毒なので大量に廃棄する場合は廃液処理が必要になります。今回程度の量では2リットル程度の水で十分基準以下になるので、芸術系の人は気にせず捨てたりしますが、念のため簡易的な廃液処理します。
原理としては、銅よりも酸に溶けやすいアルミを溶かす事で、銅を析出させます。オキシドールが残っている間は激しく反応して熱を出すので少量ずつ投入してください。動画では念のため水をはった洗面器の中で作業しています。放熱をよくするためにアルミ箔は広げたまま入れて下さい。アルミ箔を丸めて入れると熱がこもり、中で沸騰(突沸)して危険です。
析出した銅は自治体によりますが、通常は不燃ゴミとして出して下さい。

↓指摘されて追記
液体のほうは酸性なので薄めてから捨てて下さい。これに限らず酸やアルカリはお酢でもサンポールでも希釈してから捨てるという原則は同じです。

https://www.youtube.com/watch?v=aSyFALBMF4Q

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