新嘉坡Maker日録(1)「ダイソーは3Dプリンター」

新嘉坡Maker日録(1)「ダイソーは3Dプリンター」

勝本雄一朗
勝本雄一朗 (ID247) 公認maker 2014/06/13
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(ほぼ)赤道直下の国から

日本から南へ5,000km。マレーシアとインドネシアに挟まれて、シンガポールという豊かな国がある。面積は東京23区ほど。人口は500万人余。小国ではあるが、古くより貿易の要衝として、近年は東南アジアの金融センターとして、目覚ましい発展を続けている。今年は世界で最も生活費の高い都市に選ばれたとも聞く( http://edition.cnn.com/2014/03/04/travel/most-expensive-cities/ )。経済的にも気候的にも、シンガポールはとにかくアツい国である。

筆者はシンガポールで暮らし始めて4年目になる。この間、大学の研究員としてガジェットを開発したり、自宅で酒造に励んだり、Makerとして過ごしてきた。本連載では、シンガポールで経験してきたMake事情、そして現地のMakersの様子について、思いつくままに綴りたい。軌道に乗ってきたら、ここでオープンなガジェットを作ろうと思う。

ダイソーは3Dプリンター

シンガポールに渡り住んで最初に難儀したのは、島内に気の利いたDIYショップが無いことだった。なにも「東急ハンズが無い」と嘆いているのではない。地方の県道沿いにあるような、何でも揃うDIYショップが無いのである。さらにはAmazonに類する通販サイトもない。そのためプロジェクトを始める際には、島内を駆けずり回らなければならなかった。赤道直下の日差しの下、電気屋、画材屋、文房具屋、金物屋、手芸店、模型屋、ラジコン屋、そして小さな小さなDIYショップを巡る日々。質の悪い材料を手に入れて、途方に暮れることも多かった。

こうした状況において、ダイソーの存在は非常に頼もしく感じた。シンガポールに11店舗を構えるダイソーは、日本と同じ商品をS$2(現在は約160円)で販売してくれる。品質も品揃えも日本と同じ。そんなダイソーを、シンガポールで出会った偉大なMakerは、3Dプリンターになぞらえた。ダイソーで買える部材や容器を組み合わせば、頑丈なプロトタイプを迅速に作ることができるからだ。思いついた時に、気が変わる前に、軽い気持ちでプロトタイプが作れるなら、それはもう3Dプリンターである。

ダイソー×3Dプリンター

筆者の実際では、ダイソーの商品だけということはなく、ダイソーの商品と3Dプリンターで自作した部品を組み合わせて試作することが多い。例えば、振るとチャンバラの音がする「雨刀( http://yuichirock.com/amagatana/index.html )」では、ダイソーのビニール傘に、ステンレス製の中軸と、3Dプリンター製の柄を組み合わせている。ダイソーのある国なら、いくらでもビニール傘は手に入るから、壊れたとしても困ることがない。3Dプリンターで作った部品も、同じくである。

生活に密着したところだと、写真のミル付き塩コショウである。この商品、ミルと瓶の太さが同じため、うまく握って挽けなかった。そこでミルの径を増やすアタッチメントを3Dプリンターで自作したところ( http://www.thingiverse.com/thing:299705 )、ことのほかうまくいった。以来、日夜の調理で活躍している。

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