熊野MAKE日記 - 家をつくる・1

熊野MAKE日記 - 家をつくる・1

pha
pha (ID151) 公認maker 2014/05/30
0

(しっかりした広めの家。これで家賃月5000円)

(家の周りには何もない)

はじめまして、phaです。僕は一時期は京大卒ニートとして「インターネット最高!ネットがあれば生きていける!」とか言ってネットでいろいろ活動したり(遊んでいただけだけど)、ネット好きのギークが集まってシェアハウスに住む「ギークハウスプロジェクト」というのを立ち上げたりしていたんだけど、35歳になったのをきっかけにニートの肩書も外し(ニートの年齢制限は35歳)、今はたまに文章を書いたりする仕事もするようになり、最近は田舎でお金を使わずに暮らすようなライフスタイルに興味が出てきたりしている。やっぱ都会は騒がしいし、若者の物という気がする。老いると田舎の静けさが身にしみてくる……。

それで、去年から和歌山県の熊野古道の近くの山の中の一軒家を借りている。結構大きめの一軒家なのに家賃が月5000円と激安だったので、友達と合宿をしたりときどき自分がひきこもったりする家として、あればいろいろ活用できそうと思ったのだ。

僕は東京では、友人と5人でギークハウスというパソコンやネット好きを集めたシェアハウスに住んでいる。そこの家賃は月25000円だ。そして熊野の家の家賃は月5000円で、それをイトウくん(伊藤洋志)という友人と2人で共同で借りた。イトウくんは生活の延長として小さな仕事を作ろうという『ナリワイをつくる』(東京書籍)( http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4487806267/pha-22/ )という本を書いたり、今度僕と共著で『フルサトをつくる』( http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/448780812X/pha-22/ )という本も出す予定である人で、この熊野という地域に学生時代からずっと通っている。この家を借りるという話もイトウくん繋がりで来た。

家というのは一人でまるまる1軒借りても持て余すものだ。今僕は東京と熊野の2軒の家をどっちも複数人でシェアしているわけだけど、これくらいがちょうどいい気がする。一人で都会で月6万円とか出してワンルームマンションに住むよりも、こっちのほうが安いし楽しい。まあ東京と熊野の往復交通費はかかるんだけど、それを差っ引いてもトータルで満足度は高いと思う。

(屋根で昼寝をすると気持ちいい)

(すっかり田舎に馴染んだ筆者)

ただ、家賃が安いのにはやっぱり理由がある。この家は2011年の紀伊半島大水害( http://ja.wikipedia.org/wiki/平成23年台風第12号 )で2階近くまで浸水してしまって、家の中はボロボロになってしまっていたのだ。

これを業者に頼んでリフォームするとかなりお金がかかるだろう。そんなお金はないし、自分たちでなんとか直そうということになった。カネはないけどヒマはあるし、ネットをうまく使えば手伝ってくれる人だって集まるはずだ。

最近よく思うのは、MAKEとかハックとかDIYとか、そういう「自分たちでいろんなものを手作りしていこう」というのが好きだったら、都会よりも田舎のほうがいろいろできて楽しいんじゃないか、ということだ。

確かに都会は何でもあるし何でも揃ってるからすごく便利だ。ただ、何でも足りないものがあるとお金を出して買うというのが都会にいると普通になってしまうけど、田舎にいるともっと、お金を使わずに何とかするというのが自然に身の回りに増えてくる。家具を作るとか、小屋を作るとか、野菜を作るとか、そうしたことが田舎の生活では身近にある。そしてそれは単に何かを買うよりも楽しいし贅沢なことじゃないかと思うのだ。

熊野に移住してNPOをやっているシバタ君がこんなことを言っていた。

「都会だと物を買ったり使ったり『消費』ばかりしてしまうけど、田舎だと物を自分たちで作って『生産』することが多い。そうしないと生活が回らないからなんだけど。でも『生産』は『消費』より生活に実感が持てて面白いし、協力して何かを作ったりすることで人と人が仲良くなったりするのもある。『生産』は『消費』よりより楽しい。」

確かにそうだと思う。だからものづくりが好きな人とかは田舎がかなりいいんじゃないかと思うわけですよ。田舎だと、木材を見つけたら「これで棚とか作れないか」とか「使い道なかったら薪ストーブの燃料にしよう」とか、空いてる土地があったら「なんか植物でも植えるか」とか「ヤギでも飼うか」とか「露天風呂をここに作れないか」とか、そういうことを自然に考えるようになる。とにかく田舎は植物や動物などの自然の素材や、空いた土地や空き家などの空間が膨大に余っていて、人は少ないのでそういった資源が手付かずなままなのだ。だけど店はあまりない。だから素材を使って自分で何とかするしかない。そうやって田舎にいると自然にMAKE精神やハック精神が身についていくんだと思う。僕はカネはないし、仕事は苦手だけど、身の回りの生活に必要なものを作ったり整えたりするのは好きなので、ちょっと田舎暮らしを試してみようかと思ったわけです。


ただ僕は、大工スキルとかそういうのは全く持っていない。そんな人間が家を直せるのか、下手にいじったら家屋が倒壊したりしないか、というのがまず心配になるわけなんだけど、その点については頼りになる味方がいる。一緒に熊野の家を借りたイトウくんは「床さえ張れれば住む場所に困ることはない」というのをモットーにしている「全国床張り協会(全床協)( http://yukahatter.jp/ )」という活動を主宰している家の修理のスペシャリストなのだ。家直すとかよくわかんないけど、とりあえずイトウくんがいればなんとかなるはずだ。そんな甘い見込みで僕は熊野に来たのだった。

とりあえず今回はここまでで。次回は全国床張り協会の活動紹介や、家の床張り、壁張りなどの具体的な作業に進んでいきます。

熊野を舞台に自分たちで新しい故郷を作るというやり方について書いた本『フルサトをつくる - 帰れば食うに困らない場所を持つ生き方』(東京書籍)( http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/448780812X/pha-22/ )(イトウくんとの共著)が4月28日に発売されました。興味のある人は読んでみてください。

参考にしてくれた記事

記事が登録されていません。
この記事を参考にして、新しく記事を投稿しよう!

違反について